
日本人は「英語が難しい」とよく言うが英語は本当にムズカシイものなのだろうか。
カナダ・バンクーバーでワーホリ留学を始めて半年ほどした時、知り合ったスペイン人女性は「カナダで1年も住めば英語ペラペラになる自信がある」と言っていた。
英語が難しい理由は教育にあり
その人は「カナダに1ヶ月滞在する予定」で、トロントで2週間を過ごし、バンクーバーに着いたばかりということだった。
Canaはなんでカナダに住んでみようと思ったの?
と聞かれたので、

1年かあ~・・。
私ももしカナダに1年住んだら、確実に英語ペラッペラになってる自信があるわ!
と。
それまで私は、バンクーバーの語学学校(ESL)で出会った日本人や韓国人留学生の友達から、
カナダに1年住んで本当に英語が話せるようになるか不安・・
という言葉を聞くことはあっても、
カナダで1年も暮らしたら英語ペラッペラになる自信がある
なんて言う人は初めてだったので、彼女の言葉にショックを受けた。
自分がバンクーバーに着いて2週間かそこらの頃のことを振り返ってみても、1年後どころか、「英語が話せている自分」を想像することすら難しかったように思う。
もちろん、彼女の母国語はスペイン語であり、スペイン語と英語では同じラテン語を起源にしていたり、どちらもアルファベットを使うなどの共通点が多くあり、日本語と一概には比べられない。それでも日本では中学・高校の6年間、人によっては大学や社会人になってからの10年以上を費やしても「英語に自信が持てない」と言う人の方が多いのに、「1年でペラペラになる自信がある」という彼女の言葉は衝撃だった。
「単語や文法の勉強=英語」ではない
それが私が、カナダのバンクーバーで語学学校を卒業した後、マンツーマンレッスンで英語を学ぶようになるまでの「常識」だった。
けど、どんなに単語を覚えても文法を覚えても、英語の動画を見ても、英語の勉強本を読んでも英語学習ブログを読んでも、
カナダでは毎日学校に通って英語を勉強し、日本語はほとんど使わず英語だけを使う生活にしても、
英語が話せるようには・・・なっていかなかった。
たしかに語学学校の「中」であれば
でも学校の「外」で出会うネイティブとはまるで話が続かない。
続かないどころか、見下されたような態度を取られたり、
カフェで注文していても、なぜか冷たくあしらわれたり・・。
学校に3ヶ月通った後は英語を使う仕事がしたい
と思っていたのだが、勇気を出して挑戦した無給のボランティアでさえ、英語力が足りずにすぐクビになった。
それなのに「自分が英語を話せている」という気がしないため、
海外で語学学校に通って英語を勉強しても、内容自体は日本の学校の英語の授業と変わらない。
クラスメートが10~15人もいる①グループレッスンだから授業内で話すチャンスはなかなかなく、大半の時間は先生の講義を②リスニングし、教材を使って③単語や文法を暗記する「①+②+③=日本式の英語の勉強」で、違うのは授業が全て英語で進むということくらいだった。

だから3ヶ月やそれ以上学校に通っても、英語が「思ったほど話せない」と悩んでいる人にたくさん出会った。
「海外で英語を勉強しても話せるようにならないなんて信じられない」と思う人は、ぜひ「ワーホリ 失敗」や「留学 失敗」でググってみてほしい。
そこで先生から、

先生は言語教育学を大学で専門に学んできているので、色々な専門用語を使って、なぜ英語を学ぶ「前」にそうする必要があるのか、そしてそれがどれだけ重要なことなのかを説明してくれた。
たとえば「Psycho-Linguisitcs」と「Neuro-Linguisitcs」とか、「emotional intelligence」と「mental intelligence」など、
「興味があったら調べてみてくださいね」と言って先生が紙に書いてくれたのを今も持っている。
「単語や文法=英語の基礎」でもない
そしてその基礎(基本)となるものは単語と文法である
でもここにもう何度も書いているけれど、英語の「単語」や「文法」なんてものは基礎でも基本でも、ない。
・英語は難しいという「思い込み」、
・英語は「単語」と「文法」を覚えることから始まるという「既成概念」、そして
・本当に自分が英語を話せるようになるのかという「疑念」をまずなくさない限り、
いくら時間とお金を費やして、どんなにたくさんの単「語」や「文法」を勉強したところで、英語は一生「ムズカシイもの」であり続ける。
だってもし英語がそれほど難しい言語だったとしたら、こんなに多くの国や地域に広まっていないはず。
英語は「単語」と「文法」を暗記することから始まるというのは、学校でそういう教育を受けるからそう思うようになるだけ。
英語が話せるようになるのに、特別な能力が必要なわけでもないし、よく「自分なんか・・」という言葉の後に続く「年齢」や「学歴」なんかも、関係ない。
実際私は、カナダでワーホリ留学をして英語が話せるようになったが、かと言って自分には何か特別な能力があると思ったことはないし、ワーホリを始めた時点でとっくに20歳を超えていたし、取り立てて自慢できるような学歴があるわけでもない。
つまり実のところ問題は「英語」にあるのではなく、「自分の中」にある。
さらに先生は、

英語は「単語」と「文法」の暗記から始まるという「既成概念」、
本当に自分が英語を話せるようになるのかという「疑念」
を持ったままカナダにいらっしゃる日本人の方々がカナダでぶち当たる悩みには、共通のパターンがあるように思います
たとえば、
- 色んな英語教材を買って勉強してきたはずなのに、カナダに着いてみたら全然話せないし聞き取れもしない。
- 学校にも通って毎日英語に触れてはいるはずなのに、上達している感覚がない。
- 留学生の友達はできても、カナダ人の友達はできない。
- 「自分日本人だし、ワーホリだし、カナダでは日本食レストランかカフェで働くのが当たり前」と思っていて、他の可能性は考えられない。
- ホームシックで、日本が恋しくてたまらない。
英語の「単語や文法」以外のもの
そのマンツーマンレッスンでは、日本の学校や語学学校の授業とは違い、英語の「単語」や「文法」だけでなく
英語の「文化」をはじめ、
人々の考え方や価値観・行動パターン・ライフスタイル・人と人との関係性など。
ネイティブみたいに自然で大人っぽい英語を話すための「英語の話しことば」
世界中のどの言語にも共通して存在しているが、教科書にも辞書にも書いてなく、学校や親から教えられることもない。こどもから大人へと成長する過程で、周囲の人々の会話を見聞きする中で自然に学び、いつのまにか意識することもなくしている「話し方のパターン」のこと。
例えば次に何を言うべきか考えながら日本語で「ええと・・」と言ったりするが、英語でも同様に「 Well..」と言ったりする。
普通の「英会話レッスン」や「マンツーマンレッスン」でよくあるような、先生が一方的に英語で話すのを「リスニング」するのではなく、
すると、学校に通ったのと同じ3ヶ月で、
今度は現地の人と楽しくおしゃべりしたり、ネイティブの友達ができたり、
あなたの英語は日本人ぽくない
と言われたりするようになっていた。
私がカナダでワーホリ留学中にマンツーマンレッスンで英語を習った先生は、オーストラリアのメルボルン大学でLinguistic Science(言語教育科学)という学問を修め、言語学の2つの学位を取得した英語学習の専門家で、
①Applied Linguistic Science with the specialty of Methodology of Teaching Foreigner Languages (応用言語教育科学 外国語教育方法論):母国語と同等か、それに近いレベルに短期間で外国語でも到達するための教育法。 ②Psycho-Linguistic(心理言語学):人がとくに新しい言語を習得する際の心理的葛藤(カルチャーショックやホームシックなど)や、言語の認知処理等、言語と心理的な側面を結びつきを研究する学問。 |
大学で学んだことを基に、通常はカナダやアメリカなどの主に多民族国家で、子どもを対象に行われているイマージョン・プログラム(Wikipedia)を応用して「大人が短期間で外国語を習得するための学習法」を開発し、教えている。
だからこの英語の勉強の仕方は、先生のレッスン以外では学ぶことができず、レッスンは「暗記なし・教材なし・宿題なし」で英語を「経験」して「慣れ」ながらスピーキングを伸ばすことにフォーカスした内容になっていた。
- 英語の「暗記」ではなく「話すこと」を重視した英語学習プログラム」
と
- ワーキングホリデーや留学の「サポート」
が1つになった『留学エージェント』をカナダに設立。
当時は先生が1人で教えていたが、今は複数の先生方がいて、カナダ(バンクーバー)だけでなく、オーストラリア(シドニー)やフィリピン(セブ島)での「現地レッスン」、さらにSkypeを使って世界中どこからでもレッスンが受けられるようになっている。
また先生自身は英語・日本語・中国語・スペイン語・ロシア語・ポーランド語の6カ国語を話すマルチリンガルで、母国語である英語以外はすべて自身が確立した学習法を使って習得したということだった。
大学時代に「文部科学省奨学金留学生」として筑波大学で交換留学していたこともあるため、日本の文化にもかなり詳しく、大学卒業後に早稲田大学や東京外国語大学で言語教育の講演をしたこともあるらしい。

「暗記」した知識は使わなければすぐに忘れてしまうけど、「経験」して学んだことは時間が経っても忘れない。
それでも帰国してしばらくして受けたTOEICではほぼ満点の970点が取れた。
まとめ
何年も(人によっては何十年も)時間もお金もかけて英語を「勉強」し、海外でワーホリをスタートしてから初めて
「自分のこれまでの勉強って・・何だったのだろう??」と思った。
英語なんて、ただの道具(ツール)であり、道具は使って初めて威力を発揮する。
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「使えない英語」を「勉強」することに、どんな意味があるのだろうか。
・英語は難しいという「思い込み」、
・英語は単語と文法を覚えることから始まるという「既成概念」、
・本当に自分が英語を話せるようになるのかという「疑念」。
カナダで英語をマンツーマンで習うようになってから、これらを徐々に手放せるようになり、と同時に自分が「英語を話せている」とも思えるようになっていった。
それでワーホリだったら1年住めるって聞いたから、かな〜