
日本人の「ワーホリプラン」には定番があり下のような現実にたどり着く。
①海外で3ヶ月くらい英語を勉強→②レストランやカフェでバイト→③日本人の友達同士で旅行→④とはいえ1年で英語が話せるようになるのは相当難しいので「せめて」TOEICは…ということで帰国前の1~2ヶ月また「勉強」しTOEICを受験→⑤帰国。
しかしこれで「英語が話せるようになった」と言う人は滅多にいないのだった。
目次
ワーホリプランの実際
自分がワーホリをする前、最も恐れていたことは、海外に行っても英語が話せるようにならず、現地で仕事ができず、現地の友達もできず、海外に行っても何も変わらず日本に帰国になることだった。
海外に行ったら英語が話せるようになって、ネイティブの友達もたくさんできて、英語を使う仕事もバリバリできるようになるはず!
カナダに出発前の私はそう楽観的に考える一方で、
でももし1年海外に住んでも英語が話せるようにならなかったらどうしよう・・
という不安も常にあるという、なんとも矛盾した状態だった。
今なら英語が話せるようになるにはどうすれば良いかもわかるが、当時はどうすれば話せるようになるかまったくわからなかったので、同じように思っている人に伝えておきたい。
海外で語学学校に通って英語を勉強しても、内容自体は日本の学校の英語の授業と変わらない。
クラスメートが10~15人もいる①グループレッスンだから授業内で話すチャンスはなかなかなく、大半の時間は先生の講義を②リスニングし、教材を使って③単語や文法を暗記する「①+②+③=日本式の英語の勉強」で、違うのは授業が全て英語で進むということくらいだった。

だから3ヶ月やそれ以上学校に通っても、英語が「思ったほど話せない」と悩んでいる人にたくさん出会った。
「海外で英語を勉強しても話せるようにならないなんて信じられない」と思う人は、ぜひ「ワーホリ 失敗」や「留学 失敗」でググってみてほしい。
ワーホリすれば英語話せる!は厳しい…まるで出稼ぎ
カナダでワーホリを始め、数ヶ月が経った頃のこと。
その日は日本人の友だちYoko(仮名)とカナダ人の友だちJames(仮名)と一緒にダウンタウンのイタリアンレストランで夕飯を一緒に食べることに。
テーブルに座って料理を注文した後、JamesがYokoに仕事について質問をした。
Yokoそういえばface book見たよ。レストランで働くことにしたんだって? 仕事はどう?
・・あんまり楽しくない。もう辞めたい
ええっ、もう辞めたいって、なんで?
だって英語はまぁお客さんに使うことはあるにはあるけど、
日本食レストランだから思ったほど使わないし、
レストランで日本語で働くのなら日本でもできるじゃん。私はカナダに出稼ぎをしにきたのかと思ってなんか落ち込む
うーん・・Yokoはなんでそこで働くことにしたの?
だって英語オンリーの職場は自信ないし・・。
あと日本人はだいたいみんなそうするから。
・・日本人はだいたいみんなそうするから?
よくわからないんだけど、だからってYokoもそこで働かなきゃいけない理由があるの??
・・・・・・
Yokoが沈黙しているので、場の雰囲気を変えようとしたのか、今度はJamesが私に話をふってきた。
・・えっと、Canaはさ、カナダに来てから英語学校に行ってたんでしょ? 何でだったっけ?

日本人はだいたいみんな、そうするから。
言いながら、私とYokoは目を合わせ、一緒に笑った。
もちろんJamesも笑っていた。
Jamesは日本人の友達が何人もいることもあって、
考え方や価値観・行動パターン・ライフスタイル・人と人との関係性のことなどのこと。
日本人ワーホリの「定番プラン」
カナダに行く前&着いてしばらくの間、私の頭の中には以下のような「日本人ワーホリでよく見るパターン」があった。
- 海外に着いたらまず3ヶ月くらい英語を勉強。
- レストランやカフェでバイト。
- (日本人の)友達同士で旅行。
- とはいえたった1年で英語が話せるようになるのは相当「難しい」ので、「せめて」TOEICは…ということで、帰国前の1~2ヶ月また「勉強」してTOEICを受験。
- 帰国。
カナダに行く前に読んでいた、ワーホリ中の日本人のどのブログにもそう書いてあったし、カナダに行く前に見たどの留学情報誌にもそう書いてあった。
だから私は、まだカナダに行きもしないうちから、日本人のワーホリについて上のようなイメージ像があった。
問題は、いくら探してもこの「ワーホリの定番」を経て、満足できる英語が話せるようになったと言う人を1人も見つけられないということだった。
「ワーホリで英語が話せるようになった」と言う人が滅多にいない理由
当時私が読んでいたどのブログにも
留学情報誌の「体験談コーナー」には
などなど、ものの見事にカナダで1年過ごしても「満足できる英語が話せるようになった」人が1人も見つからず、それどころかみんな、カナダでさんざん英語を勉強したはずなのに
だから私はワーホリする前、
カナダに行きさえすればすぐに英語話せるようになるはず!
という「期待」をもつ反面、
自分が満足できる英語のレベルになるにはワーホリの1年では足りないのではないか・・
という「不安」もあるという、矛盾した状態になっていた。
ワーホリで3ヶ月英語を勉強してわかったこと
バンクーバーに着いたはよいものの、英語が話せるようになるために何をしたらよいのかわからない。
要は自分の努力次第なのではないか?
と思い、私はとある語学学校(ESL)に通うことにした。
それから3ヶ月間、学校だけでなく放課後は家でも「勉強」し、時には週末も使って英語を勉強した。
日本語だってなるべく使わないようにして、自分でも驚くくらい当時はストイックに英語を勉強していた。
そうやって自分的にはかなり努力をしたつもりだったが、3ヶ月経っての結果は、たとえば学校の「中」なら、
けど授業中もペラペラ喋る南米やヨーロッパ、メキシコなどからの留学生とは仲良くなれない。
「学校の先生」以外のネイティブとは全然話が続かない。
続かないどころか、見下されたような態度を取られたり、
カフェで注文していても、なぜか冷たくあしらわれたり・・。
これは1年という時間をかけて、⑤の帰国まで一直線に進むだけなのではないか・・
と怖くなった。
こんなに英語を勉強しても話せないのならどうしたら良いのかと悩んでいたとき、知り合いからマンツーマンレッスンで英語を教えている先生がいると聞き、その先生のレッスンを受けるようになった。
するとそれから3ヶ月が経つ頃には
ネイティブの人とも談笑できたり、
「日本人の英語っぽくないから日本人と思わなかった」と言われたりするようにもなっていた。
また念願の英語を使う仕事ができるようにもなっていた。
私がカナダでワーホリ留学中にマンツーマンレッスンで英語を習った先生は、オーストラリアのメルボルン大学でLinguistic Science(言語教育科学)という学問を修め、言語学の2つの学位を取得した英語学習の専門家で、
①Applied Linguistic Science with the specialty of Methodology of Teaching Foreigner Languages (応用言語教育科学 外国語教育方法論):母国語と同等か、それに近いレベルに短期間で外国語でも到達するための教育法。 ②Psycho-Linguistic(心理言語学):人がとくに新しい言語を習得する際の心理的葛藤(カルチャーショックやホームシックなど)や、言語の認知処理等、言語と心理的な側面を結びつきを研究する学問。 |
大学で学んだことを基に、通常はカナダやアメリカなどの主に多民族国家で、子どもを対象に行われているイマージョン・プログラム(Wikipedia)を応用して「大人が短期間で外国語を習得するための学習法」を開発し、教えている。
だからこの英語の勉強の仕方は、先生のレッスン以外では学ぶことができず、レッスンは「暗記なし・教材なし・宿題なし」で英語を「経験」して「慣れ」ながらスピーキングを伸ばすことにフォーカスした内容になっていた。
・英語の暗記(インプット)ではなく「話すこと(アウトプット)を重視した英語学習プログラム」
と
・ワーキングホリデーや留学の「サポート」
が1つになった『留学エージェント』をカナダに設立。
先生自身は英語・日本語・中国語・スペイン語・ロシア語・ポーランド語の6カ国語を話すマルチリンガルで、母国語である英語以外はすべて自身が確立した学習法を使って習得したということだった。
また大学時代に文部科学省奨学金留学生として筑波大学で交換留学していたこともあるため日本の文化にもかなり詳しく、大学卒業後に早稲田大学や東京外国語大学で言語教育の講演をしたこともあるらしい。

まとめ
今思うと、私はカナダワーホリで最初の3ヶ月、日本でしてきた英語の勉強とまるで同じことをしていた。
単語を覚えて、文法の問題を解いて、イディオムや構文を暗記して。
日本ではほとんどの人が中学・高校の最低でも6年は英語を勉強するけど、それで英語が話せるようになる人は、1人もいない。
だから自分ももしカナダでワーホリしていた1年間、途中で軌道修正することなく
- 海外に着いたらまず3ヶ月くらい英語を勉強。
- レストランやカフェでバイト。
- 日本人の友達同士で旅行。
- とはいえたった1年で英語が話せるようになるのは相当「難しい」ので、「せめて」TOEICは…ということで、帰国前の1~2ヶ月また「勉強」してTOEICを受験。
- 帰国。
私はそれを海外で実際に経験することができた。