
カナダの公園にはスケボー専用のコーナーがよくある
カナダでワーホリをする前、私は「カナダに行ったら、たくさん現地の友達を作りたい!」と思っていた。
「カナダで英語を勉強している外国人」としてではなく、「対等に話ができるネイティブの友達」を作るというのが、私のワーホリの目標の一つだった。
カナダのバンクーバーではじめ語学学校(ESL)に3ヶ月通ったものの、「英語が話せている」という実感がなく、知り合いから聞いてマンツーマンレッスンで英語を習うようになった。
するとそこでは英語の「単語」や「文法」だけでなく、「英語の/カナダの文化」=「人々の考え方や価値観・行動パターン・ライフスタイル・人と人との関係性のことなど」についても学ぶことができ、そうすると初めて私にも「現地の友達」ができるようになっていった。
現地の友達と時間を過ごすことで、レッスンの「外」でも「英語の/カナダの文化」を学ぶことができるようになり、最終的には、カナダ人の友達から「日本人はなぜこういう行動をとるの?」と「日本とカナダの文化の違い」について度々説明を求められるようになっていた。
カナダ人と遊びに行った後、どんなメッセージを送る?
カナダのバンクーバーでワーホリ中、カナダ人の友達(Mike:仮名)から
なんで日本人は一緒に遊びに行った後、「家に着いた」ってことをわざわざ伝えてくるの?
と聞かれたことがある。

日本ではあまり想像がつかないかもしれないが、フレンドリーなカナダの文化では、このようにして友達に友達を紹介し合うことがごくフツーにある。つまり1人カナダ人の友達ができると、あとは雪だるま式に友達が増えていった。
帰り際、MikeとHiromiは「また一緒に遊ぼう!」と電話番号を交換し、その直後に私たちは解散した。
その後Mikeが家について一息ついていると、Hiromiから
I had a lot of fun today.Thank you! I just got home safely. Hope to see you soon.
(今日は楽しかった。ありがとう!無事に家につきました。また会いましょう)
というtext messageがきた、らしい。
「text message:テキスト(文字の)メッセージ」とは日本で言うところのショートメール(SMS)。カナダでは携帯の番号宛にメッセージを送り合うのが一般的だった。
そしてつい1週間前も、私とMikeと、他に私も初めて会うカナダ人&日本人の数人で遊びに行き、その中の別の日本人女性1人とMikeがfacebookでfriendになった後、「同じようなメッセージが届いた」、というのだ。
私は
あ〜、きっと彼女たちは普通に、「今日は楽しかった」という感謝の気持ちを伝えたかったんだろうな。
「家に無事に着いた」ということにも深い意味はなくて、「単なる挨拶」程度の意味しかないよなぁ〜
と思った。
たしかに、日本人は(とくに女性は?)外出から帰って、それまで一緒に時間を過ごしていた人に、お礼がてら「家に着いた」ということを報告することがよくある、ような気がする。
日本では私も何の気なく、人と遊んだ後そういうメッセージを送っていた。
でも「日本にいるとき日本語で送っていたメッセージ」を、カナダの同じ状況で、今度は英語に直訳して送っても、
そのカナダ人の友達によると
そう、家に着いたの。・・・それで?
と思った、のだそうだ。
無事に家に着いたかどうかなんて聞いていないよ〜。
だから何と返そうか、ちょっと考えた 。
でも2人の日本人の女の子が続けて、「家に着いた」ってことを報告してきたから、これはたぶん日本のculture(文化)なんだろうなと思ってCanaに聞いてみた
とのことであった。
ただし、英語ネイティブの人から「Did you get home safely?(無事に家についた?)」と聞かれることがないわけではない。
つまり家に着いたかどうかは、聞かれたら答えれば良いが、(お礼のメッセージを送っている時点で無事であることはわかるので)自分から報告する必要はない、ということのようである。
現地の友達から指摘され初めて気づいた「文化の違い」
日本人女性はなぜ聞かれてもいないのに「無事に家についた」ことを報告するのか?
と聞かれても、私には
それは・・文化/Culture(カルチャー)なんだよ
としか言いようがなかった。
ちょうど、アメリカ人の友達から
なぜ日本では、スクールガールが人気なの?
と聞かれた時と同じように・・。
「カナダで英語を勉強している外国人」から「対等に話ができる友達」になった時
カナダ人の友達から、「日本の文化に関する説明」を求められた時、「あ、自分、『カナダで英語を勉強している外国人』ではなくて、『対等に話ができる友達』になったんだなぁ」、と思った。
そしてMikeから質問されて初めて、フレンドリーなカナダの「文化」では、自分のことを積極的に話すことが好まれる一方、「何でもかんでも伝えればよいわけではないんだなぁ」とも思った。
ではどんなことを、どんな風に伝えればよいのか?
このバランス感覚は、実際に英語を使って「たくさんそういう場面を経験すること」でわかるようになっていくので、安心してほしい。