
ワーホリや留学で遭遇するトラブルには海外ならではのものがある。
カナダでワーホリ中に体験した、ガイドブックやSNSのキラキラした写真からは絶対にわからない現地のルール、そしてトラブルとその対応についてまとめた。
目次
ワーホリ留学で特に女性が遭遇しがちなトラブルを体験
日本人女性は、海外に行くとやたら現地の男性から声をかけられる・・と思ったことはないだろうか。
海外で拡散されている日本人女性のイメージ
というのも日本人の女性は、ネットを通して今や世界中に広まっている日本製成人コンテンツ(ポルノ)の影響により、
日本人女性は男性の言いなりになりやすい
といった「男性にとっての都合の良いイメージ」を持たれていることが多いため。声をかけると簡単についてくる
そういう「勘違い男」に遭遇した場合の対応については、こちらを参照してほしい。
なお、私もワーホリ中、現地で迷惑を被った一人である。
夜道の一人歩きは避ける
カナダは比較的治安が良く、安全な国だとは言われるが、やはり夜暗くなってからの女性の一人歩きは避けることをおすすめする。
また夜ではなくても、ダウンタウンの「Hastings St(ヘースティングス ストリート)」と呼ばれる通りは治安が悪いことで知られている。
マリファナが身近なカナダ
2018年10月、カナダでは先進国で初めて、嗜好品としてのマリファナ(大麻)の所持・使用が合法となった。
マリファナだけでなく、前述の「ヘースティングス ストリート」には、明らかにドラッグ依存症と思われる人達が沢山いて(顔つきが違うので見たらわかる)、また道には使用済みの注射針が落ちていたりと、日本よりも「ドラッグ」を身近に感じる事が多々あった。
マリファナ(大麻)は合法のカナダ
私がカナダでワーホリした時(2012年)、この「マリファナに対する意識の違い」にもカルチャーショックを受けた。
私は気管支系が弱いのかまずタバコが苦手であるため、マリファナを吸いたいとすら思わなかったし、カナダに永住権を持つアジア系の移民の友達や、語学学校(ESL)で出会ったクラスメイトの友達(日本人や韓国人=アジア人)と遊ぶときには、マリファナは一度も出てこなかったし、ほとんど話題に上がることすらなかった。
でもバンクーバー出身の友達によると
バンクーバー、というか北米の人は、だいたい高校生ぐらいで一度はマリファナを吸ったことがあるんじゃないかな
ということだった。
私はそもそもなぜマリファナを吸いたいと思うのかがよくわからず、

もちろん吸いすぎはよくないけど、依存性はないって言われてるし、少しなら気分転換になるし、楽しい気分になるよ。
僕の両親もマリファナ吸うよ~
とのことだった。
そうか、親が吸ってればそりゃあ子どもも吸うよね・・と、私は思った。
日本でも親が喫煙者の場合、子どももかなりの確率で喫煙者になるのと同じだな、と。
友達はマリファナは依存性はないと言っていたけれど、依存性も発がん性もあるという説もあり、実際のところはわからない。
対して日本は芸能人がマリファナを所持していたということで逮捕、大きなニュースになる。
カナダ人の友達にそう教えると、びっくりしていた。
マリファナディ
それほどカナダではマリファナが一般的で、ちょっと外を歩いていても吸っている人に簡単に遭遇したりする。マリファナにはタバコとは違う独特の臭いがあるので、すぐに分かる。
というかバンクーバーでは毎年4月20日に「マリファナ・ディ」という、公にマリファナを吸える日さえある。
写真はダウンタウンにある美術館(Vancouver Art Gallery) の前の広場に人が集まっているところ。

私は写真を撮りたくて行っただけなのだが、この辺り一帯はマリファナの匂いが充満していて、早々に退散した。
マリファナクッキー
前述のバンクーバーで生まれ育った友達は、高校生だった頃、よく学校をサボっては仲間の家に集まって皆でタバコやマリファナを吸っていた、そう。
一時はタバコを1日1〜2箱、その延長線上でマリファナもよく吸っていたが、お金がかかりすぎる(バンクーバーではタバコ1箱10ドル以上で、日本の2〜3倍はする。マリファナはピンきり)ので、自然にどちらもやめた、ということだった。
だからその友達はもうマリファナを吸っていなかったのだが、その友達の高校時代の友達も一緒に10人ぐらいでピクニックに行ったときには、一人がおもむろにバッグからジップロックに入った何かを取り出したかと思うと、
昨日マリファナクッキー作ったから、食べる??
と聞かれた。
私にはマリファナをクッキーに入れるということも衝撃で、どんな味がするのか少し興味はあったものの・・でもやっぱり断った。
他にもその友達とさらに地元の別の友達とのBBQやホームパーティにも招待されて行ったら、マリファナのタバコが普通に出ていて、本当にみんな、ふつ~にマリファナを吸っていた。
「No, thanks」で簡単に断れる
私は当時受けていたマンツーマンの英語レッスンで、
海外で生活する以上、日本とは異なる「文化」を学ぶことは重要だけれど、自分が好きだなと思う部分だけを選んで自分の中に取り入れたら良いのです
と聞いていた。
人々の考え方や価値観・行動パターン・ライフスタイル・人と人との関係性など。
もしマリファナを
吸う?
と聞かれても

しつこく食い下がられたこともなく、要は自分次第、である。
お金にまつわるトラブル
ある日、バンクーバーのダウンタウンのカフェで、カナダ人の友達と、私よりも3ヶ月後にカナダワーホリを始めた日本人の友達とでおしゃべりしていたら、日本人の友達がこんな話を始めた。
家賃の保証金(デポジット)が返ってこない
今ダウンタウンに住んでて、家賃が高いから引越しをしようとしようと思ってるんだけど、まだよさそうなところが見つからなくて。
それにデポジット(保証金)が戻ってこないっていうのも予想外だった!
家賃の半額だから結構な額なんだよね、あ~あ・・。
カナダでは部屋を借りる際、大家に保証金を支払うことで入居が確定となり、とくに問題がなければ退去時に全額返金される。
だいたい家賃一ヶ月分の半額が相場であり、日本の敷金・礼金のように入居前に何ヶ月分もの家賃を払うシステムはない。
余談だが、カナダではシェアハウスであれアパートメント(マンション)であれ、部屋に家具が備え付きなのも普通であるため、スーツケース1つで引越しができるのも驚きだった。
私とカナダ人の友達は驚いて

と聞くと、
う~ん、まだちゃんと確認はしてないんだけどそんなようなことを言ってた・・。
私の友達もデポジット返ってこなかったって言ってたから、そんなものなんだろうね?

・・やっぱり。その大家さんは日本人なら文句言わないと思ってそんなことしてるのかも。
デポジットは何も問題がない限り返さなくちゃいけないものなんだよ。
だからまず大家さんにちゃんとそう言って。
言っても戻ってこないようなら訴えないといけないよ。
カナダでは実際、似たようなトラブルに遭ったという日本人留学生やワーホリメーカーの話をちょくちょく聞いた。
日本人は英語が苦手な上に自己主張も苦手なため文句を言わないと思われ、このような違法な対応をされてしまうことが実際にある。
だからこそ海外に行ったら、まずその土地のルール(文化)を学ぶことが重要になる。
訴えるってどこに?

Royal Canadian Mounted Police。カナダの警察のこと。
カナダ人の友達も
そうだよ、訴えなきゃいけないことだよ、それは。
何も問題がないのにデポジットが返ってこないなんておかしいよ。
君とくに部屋をよごしたりとか、物を壊したりしてないでしょ?
もしも大家さんが返さないって言ってきたら僕に連絡してくれていいよ。相談にのるから。
と言ってくれ、日本人の友達は
そうか。なんかもう返してくれなそうだったから諦めてたけど、訴えてもいいくらいのことなんだね。
うん、大家さんにもう一回デポジットのこと言ってみる!ありがとうね
と一気に顔が明るくなった。
大家に掛け合い、無事に戻ってきた保証金
帰り道、カナダ人の友達と別れて日本人の友達と2人でダウンタウンを歩いていたら、友達が
そういえばCanaが言ってたRCMPだけど、なんでCanaはそんなこと知ってるの?
私たちほとんど同じ頃カナダに来たんだったよね?
RCMPなんて私今まで聞いたことなかったよ!

あと、私が受けてるマンツーマンの英語レッスンで、カナダの文化の中でどう考えて行動すべきか(Think and Act in English Culture)っていうことをずっと習ってたから。
は~。そんなこと考えたこともなかった。。私Canaの英語の先生に会ってみたい!
と言い、早速その週から彼女はレッスンを受け始めていた。
先生は大家さんにどのように話をすべきか、細かなアドバイスをくれ、後日デポジットは無事に全額返ってきたということだった。
現地の最低時給を下回る賃金で働かされる
先生のレッスンを通して知り合った別の友達の話。
その人は、バンクーバーで語学学校に半年間通った後、カナダ人の店で働き始めたものの、自分の英語に満足はしておらず、「やはり英語に自信をつけたい」ということでレッスンを受けるようになった、ということだった。
そしてレッスンでその仕事の話をよくしていたそうなのだが、
時給の話をしたら先生に頭を抱えられてしまった
と言う。
なぜなら、カナダでは州ごとに最低賃金が決まっており、バンクーバーのあるブリティッシュコロンビア州でも「時給の最低ライン」というものがあるのだが、その仕事の時給は完全にそれを下回っていたから。
だけど友達はその仕事が好きで、雇用主も好きだし、あと売上によってはわずかながらボーナスもつくし・・ということで、とくに不満にも思っていなかった、と言う。
とは言え、最低賃金以下で働いているという事態を改善するため、雇用主にどのように交渉をしたらよいか、レッスンの時にアドバイスを聞いたということだった。
時給も上がった!
先生からは、カナダ人の雇用主を相手に英語で、英語/カナダの文化を使って、具体的に何をどう言えば良いのか、詳細なアドバイスをもらい、結果、なんと時給が3ドル近くも上がった。(それだけ最低時給を下回っていた、ということだが・・)
びっくりしたよ! 言ってもどうせ変わらないだろうと思ってたから。
3ドル上がったら、1ヶ月働いたら相当違うよ。嬉しい〜!
私はそれを聞いて、「言ってもどうせ変わらない」というのは、まさしく自分の以前のメンタリティだったな・・と思った。
バンクーバーで生活を始めて、居心地の悪いホームステイをしていたとき、実際にそう思っていた。
当時は語学学校に通っていたので、同じく留学生のクラスメイトに相談して、「話し合うべきだよ」と言う友達もいたのだが、では具体的に何と言ったらいいのかということは誰にもわからなかった。
今思うと、英語の/カナダの文化を知らない者同士でいくら考えたって、何と言えばよいのかなんてわかるはずもなかった・・。
語学学校に通って、英語の「単語や文法の知識」は(一時的にしろ)増えていたはずだけれど、現実の生活の中で起こるトラブルを解決することはできなかった。
まとめ
デポジットも最低賃金もホームステイもセクハラも、相手は「英語の/カナダの文化」を使ってきているのだから、もし状況を変えたいと思えば、こちらも同じ武器をもたないと対等に応戦することができない。
その最低賃金を巡る交渉をした友達にとっては、交渉が成功したということが「自分でも英語を使って事態を動かしていける」ということを実感した瞬間だったらしい。
ワーホリで海外生活をすると、日本では「ありえない!」と思うようなトラブルに遭遇したり、言語や文化の違いにより、トラブルにどう対応すべきかがわからなかったりする。
現地での立場が弱いワーホリメーカーは、英語も不得手だしその土地の文化も知らない「ガイジン」だからと、ナメられることも、現実にある。
自分が暮らす場所の「言語」や「文化」を学ぶということは、「そんな時にどう対処すべきなのか?」を学ぶということでもある。
何でこっちの人はみんなマリファナを吸うのか理解に苦しむんだけど・・