バンクーバーのライオンズゲートブリッジ
バンクーバー留学の準備はまず文化(考え方や価値観)を知ることから始まる。
例えば日本の文化では「礼儀正しいこと」が重要だけどカナダの文化では「フレンドリーであること」の方が重要。
だから道で知らない人に話しかけられることが頻繁にあるし年齢や職業なんかに関係なく誰とでも「友達」になりやすい。
人々の考え方や価値観・行動パターン・ライフスタイル・人と人との関係性など。
バンクーバー留学準備は「文化」を知ることから
カナダのバンクーバーでワーホリ留学を始めた当初、私は現地の語学学校(ESL)に通っていた。
3ヶ月間、毎日学校で朝から夕方まで英語を勉強し、放課後や週末までも図書館に行ったりして、英語を勉強した。
結果、学校の「中」であれば、
けど授業中もペラペラ喋る南米やヨーロッパ、メキシコなどからの留学生とは仲良くなれない。
学校の「外」で出会うネイティブともまるで話が続かない。
続かないどころか、見下されたような態度を取られたり、
カフェで注文していても、なぜか冷たくあしらわれたり・・。
学校に3ヶ月通ったら、その後は英語を使う仕事がしたい
と思っていたのだが、勇気を出して挑戦した無給のボランティアでさえ、英語力が足りずにすぐクビになった。
海外で語学学校に通って英語を勉強しても、内容自体は日本の学校の英語の授業と変わらない。
クラスメートが10~15人もいる①グループレッスンだから授業内で話すチャンスはなかなかなく、大半の時間は先生の講義を②リスニングし、教材を使って③単語や文法を暗記する「①+②+③=日本式の英語学習」で、違うのは授業が全て英語で進むということくらいだった。

語学学校(ESL)の授業イメージ
だから3ヶ月やそれ以上学校に通っても、英語が「思ったほど話せない」と悩んでいる人にたくさん出会った。
「海外で英語を勉強しても話せるようにならないなんて信じられない」と思う人は、ぜひ「ワーホリ 失敗」や「留学 失敗」でググってみてほしい。
そこで英語の「文化」をはじめ、
「発音」に、
ネイティブみたいに自然で大人っぽい英語を話すための「英語の話しことば」
なども「暗記なし・教材なし・宿題なし」で学ぶようになった。
すると同じ3ヶ月で今度は現地の人と楽しくおしゃべりしたり、ネイティブの友達ができたり、
あなたの英語は日本人ぽくない
と言われたりするようになっていた。
「文化」を「経験」して学んだ結果
またそのレッスンでは、英語を「暗記」するのではなく「経験」する方法で英語を学んだ。
「暗記」した知識はすぐに忘れてしまうけれど、「経験」して学んだことは時間が経っても忘れない。
だから私は帰国後、英語「で」勉強することはあっても、英語「を」勉強したことはない。
それでも帰国してしばらくして受けたTOEICではほぼ満点の970点が取れた。
私がカナダでワーホリ留学中にマンツーマンレッスンで英語を習った先生は、オーストラリアのメルボルン大学でLinguistic Science(言語教育科学)という学問を修め、言語学の2つの学位を取得した英語学習の専門家で、
①Applied Linguistic Science with the specialty of Methodology of Teaching Foreigner Languages (応用言語教育科学 外国語教育方法論):母国語と同等か、それに近いレベルに短期間で外国語でも到達するための教育法。 ②Psycho-Linguistic(心理言語学):人がとくに新しい言語を習得する際の心理的葛藤(カルチャーショックやホームシックなど)や、言語の認知処理等、言語と心理的な側面を結びつきを研究する学問。 |
大学で学んだことを基に、通常はカナダやアメリカなどの主に多民族国家で、子どもを対象に行われているイマージョン・プログラム(Wikipedia)を応用して「大人が短期間で外国語を習得するための学習法」を開発し、教えている。
だからこの英語の勉強の仕方は、先生のレッスン以外では学ぶことができず、レッスンは「暗記なし・教材なし・宿題なし」で英語を「経験」して「慣れ」ながらスピーキングを伸ばすことにフォーカスした内容になっていた。
- 英語の「暗記」ではなく「話すこと」を重視した英語学習プログラム」
と
- ワーキングホリデーや留学の「サポート」
が1つになった『留学エージェント』をカナダに設立。
当時は先生が1人で教えていたが、今は複数の先生方がいて、カナダ(バンクーバー)だけでなく、オーストラリア(シドニー)やフィリピン(セブ島)での「現地レッスン」、さらにSkypeを使って世界中どこからでもレッスンが受けられるようになっている。
また先生自身は英語・日本語・中国語・スペイン語・ロシア語・ポーランド語の6カ国語を話すマルチリンガルで、母国語である英語以外はすべて自身が確立した学習法を使って習得したということだった。
大学時代に「文部科学省奨学金留学生」として筑波大学で交換留学していたこともあるため、日本の文化にもかなり詳しく、大学卒業後に早稲田大学や東京外国語大学で言語教育の講演をしたこともあるらしい。

いつもレッスンを受けていたバンクーバーのカフェ
京都で「英語の文化」を使った日本人男性

京都の風景イメージ
これは私がバンクーバーで受けていたマンツーマンレッスンの先生が話してくれた、京都での出来事。
ちなみにその先生は、今も仕事でちょくちょく来日している。

「日本の文化」では、何かを教えてもらう「先生」と友達になるというのはあまりないことだけど、なにせカナダは、先生であれ上司であれ「ファーストネーム」で呼び捨てにすることもできたりする「文化」の国である。
レッスンが始まってすぐに私が


(京都でcool guyに出会いました!)

(何があったんですか?)
先生は
MAIKOさんがいる・・!!
とその男性より(当然ながら)むしろ舞妓さん達に注目していたらしいのだが、その男性がすれ違いざま先生に
Hey, how’s it going, man?
と言ってきたのだそうだ。
これは何かというと、日本の学校の英語の授業では一切習わないけど、英語圏の国で生活しているとめちゃくちゃよく聞く「挨拶」である。
日本の学校の授業で習う「Hello! How are you?」「I’m fine, thank you. And you?」なんて挨拶はネイティブは誰一人しない。
どうもこんばんは
くらいの、他愛のない挨拶なのだが、でもだからこそ先生は

それからほんの数分ではあったけれど、先生とその男性で英語の会話が始まり、その間舞妓さんたちは不思議そうに2人を見比べていたらしい。
知らない人同士でも気軽に話す「英語の文化」
日本では見ず知らずの通りすがりの人に、道を聞く以外で声をかけることは、あまり一般的ではないと思う。(とくに大都市では・・)
けれどカナダでは、知らない人でも関係なく声をかけて、会話が始まる。
英語ではこれをSmall Talk(スモールトーク:知らない人同士の雑談・世間話)と言うのだが、
- 道を歩いているとき
- カフェでお茶しているとき
- スーパーで野菜を選んでいるとき
- 図書館でネットサーフィンしているとき
- 病院で順番を待っているとき
・・とにかくいつでもどこでも、見ず知らずの人に話しかけられることが日常茶飯事的にあった。
例えば日本だと、エレベーターの中ではみんな、他の乗客に注意をはらうこともなく、ドアの上方にある階数表示をひたすらずっと見ている。
が、カナダではエレベーターの中なんかでも乗り合わせた人同士が「Hi!」とか「Have a good day!」とか、よく挨拶を交わしていた。
カナダでよく話しかけられたのは私が「アジア人の女性」だからという面もあるかもしれないが、でも女性から話しかけられることも普通によくあった。
それについては下の記事を参照。
そのブーツどこで買ったの?
そのバッグかわいい!
とか、ファッションを褒められることが多かった。
そして褒められるのはいつも日本で買って持ってきたものなので、がっかりした顔をされるのだった・・。
まとめ
京都という、日本的な伝統が根付いている土地で英語の文化を使っていたその男性、私も「coolだな」と思った。
英語の教科書にもガイドブックにも、こんなことは書いていないかもしれないが、もしカナダという「日本ではない国」で留学生活を送るなら、まずは現地の「文化」を知ることが「準備」の第一歩になる。
(日本はどうでしたか?)