
英語全くできない・話せない初心者がワーホリを始めたらどうなるのか?
日本では「英語圏の国にいるのに英語が喋れない」という状況がピンとこず、カナダに着いてすぐに「もっと勉強してこればよかった」と後悔した。
現地でネイティブから英語を笑われたり冷たくされることもあった。
目次
英語全くできない・話せない初心者でワーホリ→大後悔
カナダのバンクーバーでワーホリ留学を始めた時の私がどれくらいの英語レベルだったかというと、バンクーバーの空港に着いた時、職員が何を言っているのかわからず危うくワーホリのビザをもらわずに出るところだった、レベル。
今考えると
だけど日本では日常生活で英語を使うことなんてなかったから、自分がまさかそこまで英語ができないとは思っていなかった。
なにしろ、中学で習った一番基本的な「英語のあいさつ」さえ、カナダではまるで通用しなかった。
「I’m fine, thank you, and you?」は不自然
カナダのバンクーバーでワーホリが始まり、同時に、人生初のホームスティが始まった。
スティ先の家に着いてホストブラザー(両親はフィリピン人だが自身はカナダ生まれのカナダ育ちのネイティブスピーカー。20代)に初めて会ったとき、
Hi! How are you?
と言われた私は、自信満々で

と答えた。
すると
Hahaha!!
・・爆笑された。
ホストブラザーはその後も
Japanese……always……!
と言って一人で笑っていたが、あとの言葉は聞きとれなかった。
でもそのステイ先はこれまで日本人留学生を何度も受け入れてきているということは聞いていたので、なんとなく
「なんで笑うの?」と聞けない(言葉が出てこない)し、どう反応すればよいのかもわからず、とりあえずその場は愛想笑いでごまかした。
そして自分の部屋に戻ってからネットで
同じ言葉ばかり使うのも、不自然
なのでそれからは

けどそれが何度か続いたとき、ホストブラザーから
CanaはいつもGoodだね!
と、また笑われた。
日本で習った英語が通用しない・・
そもそもなぜ私は
それは、中学校の英語の授業で毎回、まるで呪文のように
授業の最初に、必ず教師が
How are you?
と聞き、生徒全員で
I’m fine, thank you. And you?
と答えるのがお約束になっていた。
これは何も私だけの話ではなく、ホストブラザーの反応から考えても、日本中の中学校で同じことが行われていたのではないかと思う。
・・ということは、
I’m fine, thank you. And you?
を習った人は、ネイティブからは笑われる英語を、中学のまる3年間をかけて習っていたということになる。
「I’m fine, thank you. And you?」なんて言うネイティブはいないのに、一体このフレーズを誰が考えたのだろうか?
そしてなぜこれを「日本の中学の英語の授業で毎回言わせよう!」と思ったのか?
・・・まったくもってナゾ。
ちなみに東京の中学校で英語教師をしている友達に聞いてみたところ、「さすがに今は『I’m fine, thank you. And you?』は教えてない」とは言っていた。
「ネイティブみたいなあいさつ」は教科書にのってない
カナダでワーホリを始めて、日本でさんざん習ってきた英語が、海外では通じない(ネイティブに笑われる)ということを知った私は、ショックを受けつつも、
だけどカナダでいくら後悔しても、後の祭り。
早くなんとかして英語が話せるようになりたい!
と思った私は、現地の語学学校(ESL)に通って英語を勉強するようになった。
しかし3ヶ月間、毎日朝から夕方まで英語を勉強し、放課後や週末までも図書館に行ったりして英語を勉強しても、自分が英語を話せているという気がしない。
たしかに学校の「中」であれば、
けど授業中もペラペラ喋る南米やヨーロッパ、メキシコなどからの留学生とは仲良くなれない。
学校の「外」で出会うネイティブともまるで話が続かない。
続かないどころか、見下されたような態度を取られたり、
カフェで注文していても、なぜか冷たくあしらわれたり・・。
ホストブラザーだけでなく、ホストファミリーとも満足できるレベルの会話はできず、自分でも悩んでいた「英語の発音」が変だとよく笑われていた。
学校に3ヶ月通ったら、その後は英語を使う仕事がしたい
と思ってもいたのだが、勇気を出して挑戦した無給のボランティアでさえ、英語力が足りずにすぐクビになった。
海外で語学学校に通って英語を勉強しても、内容自体は日本の学校の英語の授業と変わらない。
クラスメートが10~15人もいる①グループレッスンだから授業内で話すチャンスはなかなかなく、大半の時間は先生の講義を②リスニングし、教材を使って③単語や文法を暗記する「①+②+③=日本式の英語学習」で、違うのは授業が全て英語で進むということくらいだった。

だから3ヶ月やそれ以上学校に通っても、英語が「思ったほど話せない」と悩んでいる人にたくさん出会った。
「海外で英語を勉強しても話せるようにならないなんて信じられない」と思う人は、ぜひ「ワーホリ 失敗」や「留学 失敗」でググってみてほしい。
そこで生まれて初めて、ネイティブみたいな「自然な英語のあいさつ」を具体的に習うようになった。
するとそれまで1人もいなかったネイティブの友達が段々できるようになっていき、それにつれてネイティブの話し方や言葉づかいは教科書には書いてないということが実感としてわかっていった。
たとえば私が学校の教科書で勉強したあいさつは
Hello. How are you?
I’m fine, thank you, and you?
の「1パターン」だったけど、
実際、カナダでネイティブが言っているあいさつはまず
Hi/Hey, (Helloよりも圧倒的にHiやHeyが多い)
に続き
How are you?
ももちろん言うけれど、
How’re you doing?
What’s up?
How’s it going?
How’s things?
How’ve you been?
と色々な尋ね方のパターンがあり、それに対しての回答も
Great.
Well.
Not bad.
Busy.
Same old Same old.
などなど、聞き方も答え方も無数にある。
しかも質問を一度に重ねて言うこともよくある。
例えば「Heeeeey, what’s up? How’s things??」といった感じに。
でもこういうネイティブが話すようなリアルで自然な英語は、教科書にはのっていなかった。
私がカナダでワーホリ留学中にマンツーマンレッスンで英語を習った先生は、オーストラリアのメルボルン大学でLinguistic Science(言語教育科学)という学問を修め、言語学の2つの学位を取得した英語学習の専門家で、
①Applied Linguistic Science with the specialty of Methodology of Teaching Foreigner Languages (応用言語教育科学 外国語教育方法論):母国語と同等か、それに近いレベルに短期間で外国語でも到達するための教育法。 ②Psycho-Linguistic(心理言語学):人がとくに新しい言語を習得する際の心理的葛藤(カルチャーショックやホームシックなど)や、言語の認知処理等、言語と心理的な側面を結びつきを研究する学問。 |
大学で学んだことを基に、通常はカナダやアメリカなどの主に多民族国家で、子どもを対象に行われているイマージョン・プログラム(Wikipedia)を応用して「大人が短期間で外国語を習得するための学習法」を開発し、教えている。
だからこの英語の勉強の仕方は、先生のレッスン以外では学ぶことができず、レッスンは「暗記なし・教材なし・宿題なし」で英語を「経験」して「慣れ」ながらスピーキングを伸ばすことにフォーカスした内容になっていた。
・英語の暗記(インプット)ではなく「話すこと(アウトプット)を重視した英語学習プログラム」
と
・ワーキングホリデーや留学の「サポート」
が1つになった『留学エージェント』をカナダに設立。
先生自身は英語・日本語・中国語・スペイン語・ロシア語・ポーランド語の6カ国語を話すマルチリンガルで、母国語である英語以外はすべて自身が確立した学習法を使って習得したということだった。
また大学時代に文部科学省奨学金留学生として筑波大学で交換留学していたこともあるため日本の文化にもかなり詳しく、大学卒業後に早稲田大学や東京外国語大学で言語教育の講演をしたこともあるらしい。


考え方や価値観・行動パターン・ライフスタイル・人と人との関係性のこと。

挨拶して別れてお互いに仕事に行って、また数時間後にも偶然出会って、同じようにまた「Hi, how are you?」から始まる挨拶をしたりします。
「さっき聞いたじゃん・・!」て思いますけど、でもそれが英語の挨拶なんですよね〜

バンクーバーは小さな街なので、ダウンタウンで知り合いに出くわすのは全く珍しいことではない。
英語全くできない人がワーホリ前に知るべきこと
英語初心者だった私がカナダでワーホリして、初めて知ったこと。
それは教科書にのっているのは多くの場合、フォーマルで丁寧な「書きことば」だけれど、ネイティブの実際の会話の中で使われているのはカジュアルでフレンドリーな「話しことば」だということ。
Hello. How are you? I’m fine, thank you. And you?
この文章の一つ一つの「単語」や「文法」は、完璧に正しい。
正しいけれど、ネイティブは誰もこんな風に言わないから「不自然な英語」になってしまう。
これはたとえば、日本で英語を勉強している外国人に
元気? 調子どう?
と聞いて
麗しゅうございます。
と返ってきたら、あなたはどう感じるだろうか?
これも日本語の単語や文法としては、完全に正しい。
でもこんな言い方は、本やマンガには書いてあっても、実生活で使っている日本人は(おそらくよっぽどのお嬢様をのぞいて?)いない。
だから「不自然な日本語」だと感じると思う。
英語もそれと同じなのだった。
まとめ
カナダのバンクーバーでワーホリ中、マンツーマンレッスンで上の「ネイティブがするあいさつ」を始め、自然な英語の話し方(英語の話しことば)を学ぶようになると、現地の人から
あなたの英語、自然ね。
そんな話し方をする日本人、あなたが初めて。
などと言われるようになっていった。
だから自分の経験からも、英語が話せるようになりたい人は「教科書や参考書の英語」を「暗記」するのではなく、「ネイティブが言うような自然な英語の話し方(話しことば)」から先に勉強した方が圧倒的に近道だと思う。
*私がカナダで受けていたレッスンをフィリピンで受けられ、同じように思われたという生徒さんの感想
はじめまして。
この記事を読んでわたしも試したいと思いました。今ワーキングホリデーでNZに来ていますが、周りが何を行っているか分からず焦っています。ぜひ詳しくお話しを聞きたくて連絡させていただきました。
FMさん(お名前は伏せさせていただきました)へ
はじめまして、コメントありがとうございました。
メールをお送りしましたのでご確認をお願い致します。
加奈