カナダ留学中「現地育ちの女性」には絶対しないようなことを「日本人留学生の女性」に対しては平気でする現地の男性に遭遇した。
私はそういう男性(チカン男)の1人に不快なことを言われたもののカナダの文化(人々の考え方や価値観)を学んでいたおかげで言い返すことができた。
目次
カナダ留学する女性がクラスメートから必ず聞かれること
カナダのバンクーバーでワーホリ留学を始めた私がまだ語学学校(ESL)に通っていた頃。
その学校の90%は日本人または韓国人だったから、必然的に韓国人留学生と知り合う機会がたくさんあった。
私は生徒の90%が日本人か韓国人の語学学校(ESL)に通っていた。
これは何も私が通っていた学校に限られる話ではなく、日本人がワーホリや留学でよく行くような都市であれば世界中どこでも同じような状況らしい。
本当に女性も男性も関係なく聞かれた。
なのである日、親しくなった韓国人の友達のひとりに

すると
韓国では年齢がものすごく重要で、年上には絶対に敬語を使わなくちゃいけない。
韓国語には5種類の敬語があるくらい、言葉づかいに厳しいんだよ。だから初めて会ったときに必ず年齢を聞いて、相手が自分より年上か年下かを知らなきゃいけない。
ということだった。
友達の話によると、日本よりもさらに「年齢による上下関係」に厳しいような印象を受けた。
つまり、初対面で年齢を聞くのは韓国の「文化」なのだった。
ある特定の集団における人々の考え方や価値観、習慣やライフスタイル、そして人と人との関係性のこと。
日本でも人に年齢を尋ねることはあるが、常に初対面では聞かないと思う。
外見からざっと判断して敬語かタメ口かを使い分けていたし、ましてやとくに女性に向かって年齢を聞くのは失礼なことだと私は思っていた。
ところが韓国では「初対面だからこそ失礼がないように聞かなくてはならない」と言う。
面白い「文化の違い」である。
カナダで留学する日本人女性が感じた違和感
でもここで疑問もあった。
「韓国」では「韓国語」を話すのだからそりゃ年齢を聞くのが重要かもしれないが、「カナダ」で私たちが使っている言語は「英語」である。
私が年上なのか年下なのかを知ったところで、英語には韓国語のような敬語はないんだから、べつに年齢は関係ないじゃないか?と思った。
結局、語学学校(ESL)には3ヶ月間通ったのだが、その間ずっと初めて会う韓国人のクラスメートからは毎回年齢を聞かれた。
そして、学校の「中」であれば、
けど授業中もペラペラ喋る南米やヨーロッパ、メキシコなどからの留学生とは仲良くなれない。
学校の「外」で出会うネイティブともまるで話が続かない。
続かないどころか、見下されたような態度を取られたり、
カフェで注文していても、なぜか冷たくあしらわれたり・・。
悩んでいた時、知り合いから「マンツーマンレッスンで英語を教えている先生がいる」と聞き、その先生のレッスンを受けるようになった。
海外で語学学校に通って英語を勉強しても、内容自体は日本の学校の英語の授業と変わらない。
クラスメートが10~15人もいるから授業内で話すチャンスはなかなかなく、大半の時間は先生の講義を「リスニング」し、教材を使って単語や文法を「暗記」する「日本式の英語の勉強」で、違うのは授業が全て英語で進むということくらいだった。

語学学校(ESL)の授業イメージ
だから3ヶ月やそれ以上学校に通っても、英語が「思ったほど話せない」と悩んでいる人にたくさん出会った。
「海外で英語を勉強しても話せるようにならないなんて信じられない」と思う人は、ぜひ「ワーホリ 失敗」や「留学 失敗」でググってみてほしい。
「カナダの文化」を学んで見えてきたこと
そのマンツーマンの英語レッスンでは、
英語の「文化」をはじめ、
「発音」に、
ネイティブみたいに自然で大人っぽい英語を話すための「英語の話しことば」
なども「暗記なし・教材なし・宿題なし」で学ぶようになった。
すると韓国人だけでなくて、カナダ人やその他の国籍の友達も自然にできるようになっていった。
そしてカナダで、韓国人ではない人から初対面で年齢をきかれることは(絶対にないとは言わないが)あんまりなかった。
またそのマンツーマンレッスンで「英語の/カナダの文化」について学ぶうち、
「韓国の文化」では、初対面で年齢を聞くのが当たり前なのであり、悪気がないのはわかっている。
しかし私たちはカナダにいて、英語を使っている。
だったら、韓国人留学生が出してくる「韓国の文化」に対して、「カナダの文化」を使った対応をしてもよいのではないか?
と思うようになった。
そこである日のレッスンの時、先生に

単に実年齢を言ってもいいのだけれど、私はもっとスマートな受け答えがしたいというか、「韓国語の文化」の中ではなく、「英語の文化」の中で答えたいんです
すると

Canaさんの言いたいこと何となくわかりますよ。
(あなたのお母さんより若いですよ)
私がカナダでワーホリ留学中にマンツーマンレッスンで英語を習った先生は、オーストラリアのメルボルン大学でLinguistic Science(言語教育科学)という学問を修め、言語学の2つの学位を取得した英語学習の専門家で、
①Applied Linguistic Science with the specialty of Methodology of Teaching Foreigner Languages (応用言語教育科学 外国語教育方法論):母国語と同等か、それに近いレベルに短期間で外国語でも到達するための教育法。 ②Psycho-Linguistic(心理言語学):人がとくに新しい言語を習得する際の心理的葛藤(カルチャーショックやホームシックなど)や、言語の認知処理等、言語と心理的な側面を結びつきを研究する学問。 |
大学で学んだことを基に、通常はカナダやアメリカなどの主に多民族国家で、子どもを対象に行われているイマージョン・プログラム(Wikipedia)を応用して「大人が短期間で外国語を習得するための学習法」を開発し、教えている。
だからこの英語の勉強の仕方は、先生のレッスン以外では学ぶことができず、レッスンは「暗記なし・教材なし・宿題なし」で英語を「経験」して「慣れ」ながらスピーキングを伸ばすことにフォーカスした内容になっていた。
また大学時代に文部科学省奨学金留学生として筑波大学で交換留学していたこともあるため日本の文化にもかなり詳しく、大学卒業後に早稲田大学や東京外国語大学で言語教育の講演をしたこともあるらしい。

いつもレッスンを受けていたバンクーバーのカフェ
それ以降、私は年齢を聞かれたときはそう答えるようになり、そうすると言外の意味を察してそれ以上は聞かれないことが多くなった。
中には「どういう意味?」とつっこんで聞いてくる人もいたが・・
けど私は
I’m younger than your mother.
を習ったとき、この言葉を、韓国人ではなくカナダ人に対して使う機会があろうとは夢にも思っていなかった。
わたしは別に初対面で年齢を尋ねる「文化」が間違っているとは思っていない。
国にはそれぞれの文化があって当然だと思っている。
ただカナダで、「母国語とは違う文化を持つ言語(英語)」を話そうとしているのであれば、「母国語の文化」はいったん脇に置いておくべきではなかろうか?と思っていた。
まさかの、初対面で年齢を聞いてきたカナダ人痴漢男
それからしばらくしたある日、私は日本人の留学生の友だち数人と一緒に、ダウンタウンのレストランでディナーの約束をしていた。
待ち合わせ場所へ行くと、見慣れない男性がいる。
友達の1人(男性)がそのカナダ人男性と最近知り合い、連れてきたのだと言う。
その場で互いに軽く自己紹介をしたものの、どこからどう見ても、彼は私たちとは20歳以上は離れているように思われた。
でも
だから私は年齢というよりは、その人のもつ「何か」に違和感をもった。
私は
この人とはあまり関わらないようにしよう・・
と思いながら、みんなでレストランに向かった。
さて、レストランで私はその人から一番遠い席に座ったため、ほとんど会話をすることもなく、食事が終わりに近づいた頃。
それまで全く別の話をしていたその人が突然、その人の正面の席に座っていた日本人女性に
How old are you?(君何歳なの?)
と聞いた。
私は耳を疑った。
その人は生まれも育ちもカナダだと言っていた。
それなのに初対面の女性に向かって唐突に年齢を尋ねている・・?
しかし友達はとくに不審に思う様子もなく年齢を答え、それからその人は、そこにいる全員に一人ひとり年齢を聞き始めた。
最後にその人が、一番遠くの席に座っていた私に聞いてきたとき、私はここぞとばかりに

それまで私以外の人はみんな、とくにその人の質問を気にする風もなく素直に年齢を答えていたので、その人は私の答えに面食らったらしく数秒キョトンとした顔をしていた。
しかしすぐに表情を変えて、今度はニヤニヤしながら、
おや、君は僕に年齢を教えられないの?
君ほんとに僕のお母さんより若い? ほんと~??
などと言ってきた。
私はそれを無視していたが、しつこいので、聞いてみた。

(なんで私に年齢を聞くんですか?)
It’s NOT Canadian style, right?
(そんなのカナダ人の流儀じゃないですよね?)
すると、なんとその人は
But you are not Canadian!
(でも君はカナダ人じゃないよ!)
と返してきた。
・・これどういうことかというと、その人は「日本の文化」の「一部」 (日本ではたしかに年齢を尋ねることはあるが初対面で、ましてや女性に聞くことはあまりないと思う)を使ったにも関わらず、私が「カナダの文化」を使うのはおかしい、ということ。
そこで私が続けて、

(でも私たちはカナダにいますよね!)
Of course we are in Canada.(もちろんカナダにいる)
と返してきたが、それ以上は何も言ってこなかった。
会計を済ませ、店の前で解散するとき、その人がまた私に
It was nice to meet you, SECRET LADY.
と言ってきた。
Secret;秘密主義の
私は
Girlではなく、Lady??
と思ったが、
Nice meeting you.
とだけ言った。(まったくniceなmeetingではなかったのだが・・)
帰り道、友達から聞いたところ、その人は昔日本人の彼女がいたらしい。
やはりその人は「日本の文化」を知っていて利用したのだと私は思った。
失礼なことを言われたら言い返そう!もちろん文化を使って
次の日のレッスンで早速、先生にそのディナーのことを話すと、

その男性は「文化の違い」を利用したCHIKAN(先生は日本語も知っている)ですよ!
Canaさん、よくやってくれました!
まとめ


私なら
