カナダの冬景色
英語わからない、苦手なまま留学しても何とかなる。
海外で生活すれば英語は伸びるから大丈夫!
留学前にそう言う人がいたが現地に着いた私のそんな淡い期待は見事に消えた。
英語圏の国で生活するのに英語が喋れないし聞き取れないとなるとまず現地の人と話が続かないから困った。
目次
英語ができない・苦手なまま留学を始めた自分
例えばまだ自分がワーホリ留学を始めた当初、カナダのバンクーバーで語学学校(ESL)に通って「日本式の英語の勉強(=単語や文法の暗記)」をしていた頃は、こんなことがよくあった。
まず言っておくと、バンクーバーには100以上とも言われる語学学校(ESL)があり、多くの留学生が生活している。
だからそういう「英語を勉強している人」向けの英会話カフェとか英語イベントが多数あり、カナダ人(またはカナダ人ではなくても英語を流暢に話す)男性と話す機会がたまにあった。
そして当時の
Hi!(こんにちは!)
↓
②
Where are you from? Are you Japanese?
(どこから来たの? 君、日本人?)
↓
③
Do you have a boyfriend?
(彼氏いるの?)
↓
④
I can help you with your English. Do you want to teach me Japanese?
(君に英語を教えてあげるよ。そのかわり僕に日本語を教えてくれる?)
↓
⑤
And, what is your phone number??
(で、電話番号、何? 教えてよ)
・・これってなんか、見下されているというか、いくら英語が下手だからって私のことバカにしてんの?
と思った。
留学生のクラスメイトや、学校の先生となら話せても、そうではない人とは長く会話ができない。
悔しいけど、こういう時何と言ったらいいのかもわからない。
だから当時は笑ってごまかして、徐々にその相手から離れていくしかなかった。
英語が話せない→留学生同士で固まる
当時の私には自分と同じようにカナダで英語を勉強している「留学生(日本人か韓国人)の友達」しかいなかったから、そうなるとやはり自分の行動範囲も「留学生が多くいるところ」に限られがちだった。
私は生徒の90%が日本人か韓国人の語学学校(ESL)に通っていた。
これは何も私が通っていた学校に限られる話ではなく、日本人がワーホリや留学でよく行くような都市であれば世界中どこでも同じような状況らしい。
だからその頃の私は「日本人だから(もしくは/かつ)英語が不得意な留学生だから」こそ近づいてくる人に多く出会いがちだったのは、当たり前といえば当たり前なのだけれど、そういうことにも当時は気づいていなかった。
バンクーバーのような国際都市には留学生やワーホリメーカーが多くいて、そういう「英語を勉強している人」が集まる場所(カフェやクラブなど)がいくつもあり、そこにやたらめったら顔を出す現地の人というのが時々いる。
そういう人が全員危険なわけではもちろんないが、こちらが「日本人だから(もしくは/かつ)英語が不得意な留学生だからこそ近づいてくる」人と関わると、嫌な思いをすることも多い(特に女性は)ので、気をつけてほしい。
「日本式の英語の勉強」ではずっと英語がわからないまま
日本では中学高校を通して最低でも6年も英語を「勉強」するけれど、それで英語が話せるようになる人は、1人もいない。
だってそこで教わるのは「英語の単語と文法を少しでも多く暗記すること」、それだけだから。
わたしは
今は英語はわからないが、英語圏の国で生活すれば話せるようになるだろう・・
という淡い期待をもって、日本という
しかし始めの頃は、カナダでも日本でしてきた勉強と同じこと(教材を使って単語や文法を暗記)をくり返すだけだった。
そして
・・あれ?こんなに勉強してるのに、全然英語が話せてる気がしない
と気づく頃には、すでにカナダで生活を始めて3ヶ月が経とうとしていた。
当時は毎日学校に通い、朝から夕方まで英語を勉強し、放課後や週末にも英語を勉強していた。
それなのに、自分が英語を話せるようになっていっているとは、思えない。
学校の「中」であれば、
けど授業中もペラペラ喋る南米やヨーロッパ、メキシコなどからの留学生とは仲良くなれない。
学校の「外」で出会うネイティブともまるで話が続かない。
続かないどころか、見下されたような態度を取られたり、
カフェで注文していても、なぜか冷たくあしらわれたり・・。
このままカナダで1年過ごしたところで英語が話せるようになるとは、とても思えなくなっていった。
海外で語学学校に通って英語を勉強しても、内容自体は日本の学校の英語の授業と変わらない。
クラスメートが10~15人もいるから授業内で話すチャンスはなかなかなく、大半の時間は先生の講義を「リスニング」し、教材を使って単語や文法を「暗記」する「日本式の英語の勉強」で、違うのは授業が全て英語で進むということくらいだった。

語学学校(ESL)の授業イメージ
だから3ヶ月やそれ以上学校に通っても、英語が「思ったほど話せない」と悩んでいる人にたくさん出会った。
「海外で英語を勉強しても話せるようにならないなんて信じられない」と思う人は、ぜひ「ワーホリ 失敗」や「留学 失敗」でググってみてほしい。
もうどうしたら良いのかわからない。
英語のことなど諦めて日本に帰った方が良いのだろうか・・
と悩んでいたとき、知り合いから「マンツーマンで英語を教えている先生がいる」と聞き、そのレッスンを受けるようになった。
そこで「単語」とも「文法」とも違う、
「英語の文化」
それに「大人っぽくて自然な話し方をするための英語の話しことば」
を学ぶことができ、結果としてそれから3ヶ月後には
英語が話せている
という実感がもてるようになっていた。
私がカナダでワーホリ留学中にマンツーマンレッスンで英語を習った先生は、オーストラリアのメルボルン大学でLinguistic Science(言語教育科学)という学問を修め、言語学の2つの学位を取得した英語学習の専門家で、
①Applied Linguistic Science with the specialty of Methodology of Teaching Foreigner Languages (応用言語教育科学 外国語教育方法論):母国語と同等か、それに近いレベルに短期間で外国語でも到達するための教育法。 ②Psycho-Linguistic(心理言語学):人がとくに新しい言語を習得する際の心理的葛藤(カルチャーショックやホームシックなど)や、言語の認知処理等、言語と心理的な側面を結びつきを研究する学問。 |
大学で学んだことを基に、通常はカナダやアメリカなどの主に多民族国家で、子どもを対象に行われているイマージョン・プログラム(Wikipedia)を応用して「大人が短期間で外国語を習得するための学習法」を開発し、教えている。
だからこの英語の勉強の仕方は、先生のレッスン以外では学ぶことができず、レッスンは「暗記なし・教材なし・宿題なし」で英語を「経験」して「慣れ」ながらスピーキングを伸ばすことにフォーカスした内容になっていた。
・英語の暗記(インプット)ではなく「話すこと(アウトプット)を重視した英語学習プログラム」
と
・ワーキングホリデーや留学の「サポート」
が1つになった『留学エージェント』をカナダに設立。
先生自身は英語・日本語・中国語・スペイン語・ロシア語・ポーランド語の6カ国語を話すマルチリンガルで、母国語である英語以外はすべて自身が確立した学習法を使って習得したということだった。
また大学時代に文部科学省奨学金留学生として筑波大学で交換留学していたこともあるため日本の文化にもかなり詳しく、大学卒業後に早稲田大学や東京外国語大学で言語教育の講演をしたこともあるらしい。

いつもレッスンを受けていたバンクーバーのカフェ
英語が話せるようになった自分と現地の男性の会話
現地のマンツーマンレッスンで英語の「文化」や「発音」の仕方、それに「大人っぽくて自然な話し方をするための「話しことば」を学ぶようになってからのこと。
カナダ人の男性とこのような会話をしている自分に気づいて、驚いた。
Hi!
↓
②
Where are you from? Are you Japanese?
(どこから来たの? 君、日本人?)
↓
③
Do you have a boyfriend?
(彼氏いるの?)
↓

「日本式の英語の勉強」では話せない理由
全ての英語を勉強している人に知ってもらいたいのは、
How are you?
と聞かれたら
I’m fine, thank you. And you?
と返しなさいと習うが、実際にはこんな返事をするネイティブは、1人もいない。
文法的には正しいけど、こんな言い方しないよ・・
と思う日本語が何個も書いてあった。
例えば外国人の英語学習者と日本人の日本語教師が会話をしている場面で、
私は今日は気分がいいです
私は明日は海に行きます
私はあなたにお土産をあげます
という一連の会話が書いてあった。
これは、日本語の「書きことば」としては自然だが、「話しことば」としては不自然。
なぜなら日本語という言語では、「話しことば」では主語を言わないのが自然だから。
つまりこの会話文は、日本語のネイティブ同士の実際にしゃべっているときには、いちいち毎回「私は」と言わず、
今日は気分がいいです
明日は海に行きます
お土産をあげます
になっているはず。
まとめ
こんな風に
なのに自分が英語を話せているとは思えなかったのは、英語の単語や文法や、英語の「書きことば」ばかりを勉強していたから。
教科書や問題集を使っていくら英語を勉強しても、ネイティブから不快なことを言われたときに何も言い返せなかった私が、
That’s none of your business!!
(あなたにはまったく関係ありません)
ととっさに言い返すことができた時、
あ。自分、英語が話せるようになったんだなぁ
と思った。
(あなたには全然まったく、1ミリも関係ないっす!!)