
留学中、英語が聞き取れない、特にネイティブの英語が難しいと悩む留学生やワーホリメーカーに多く出会った。
自分も最初は学校の英語の授業はもちろん学校の「外」のネイティブの会話も早すぎて全然わからなかった。
目次
留学で英語の授業も聞き取れない
私が通っていたバンクーバーの語学学校(ESL)では、1クラスに10~15人のクラスメイトがいて、半分が日本人、もう半分が韓国人で、ごくたまに南米やヨーロッパからの留学生が1~2人いる、といった具合だった。
語学学校は大学と同じように、各自が「文法」・「スピーキング」・「ライティング」などの授業の中から、取りたい授業を選んで決めていくスタイルなので、生徒の構成は授業によって毎回変わり、「教室内に日本人の生徒しかいない」ということすら時にはあった。
私は生徒の90%が日本人か韓国人の語学学校(ESL)に通っていた。
パンフレットの写真では、世界各国からの留学生が一緒に勉強しているような印象を受けたが、行ってみたら全然違った。 これは何も私が通っていた学校に限られる話ではなく、日本人がワーホリや留学でよく行くような都市であれば世界中どこでも同じような状況らしい。
初めの頃は授業で先生が何を言っているのか全然聞き取れず、クラスメートが何をしているのかを見よう見まねでやり過ごしていた。(宿題の範囲などは黒板に書いてくれるので理解できた。)
先生の話がわからないので、レベルを下げてもらった方が良いのではないか、と思ったのだが、学校のカウンセラーさんに相談すると
しばらくすれば耳が慣れますから。
ということで、様子を見ることに。
実際、1ヶ月2ヶ月と時間が経つにつれ、すでに何度も授業を受けているネイティブの先生の英語なら聞き取れるようになっていった。
あ、これが「耳が慣れた」ということか、と思った。
とはいえ、学校の先生というのは、留学生を相手にゆっくりめに話してくれているというのがわかったのも、その頃だった。
それでも、取る授業を変えたりして、時々全く新しい先生の授業になると、やはり聞き取るのが難しいし、学校を一歩「外」に出ると、ネイティブの英語はさっぱりわからなかった。
英語で会話できないのはストレス
当時は英語が聞き取れないし、自分の考えや気持ちを自由に英語で話すこともできない。
例えカナダ人と話す機会があったとしても、ほぼ聞き手になるしかない。
相手の話についていけてなくても、聞き返すのも失礼な気がして、何となくわかっているふりをしてしまう。
話についていけていないのにわかっているふりをする方がよほど失礼だと知ったのはもっと後になってからのことだった。
または、ちょっと会話が続くかと思えば、すぐに電話番号を聞いてくるような明らかにアジア人の女子留学生のナンパ目的のカナダ人だったり。
バンクーバーで既にワーホリや留学をしている人は分かると思うが、帰国する留学生やワーホリメーカーのFarewell Party(送別会)やカンバセーションクラブ(会話クラブ)など、「アジア人留学生が多くいると分かっている場所にあえて来るカナダ人男性」というのが中にはいて、(もちろん全員が全員というわけではないが)嫌な思いをすることもないとは言えないのでとくに女性は注意してほしい。
留学中に英語の伸びを感じられた転機
語学学校は3ヶ月通うことになっていたのだが、卒業する頃になってもネイティブと会話が続かない。
「英語が上達している」と思えない。
悩んでいた時、知り合いから「マンツーマンで英語を教えている先生がいる」と聞き、その先生のレッスンを受けるようになった。
英語の「文化」や、
人々の考え方や価値観・行動パターン・ライフスタイル・人と人との関係性など。
を教えてもらうようになった。
そうすると、同じ3ヶ月で今度は現地の人とも会話が続いたり、ネイティブの友達ができたり、
あなたの英語は日本人ぽくない
と言われたり、失礼な態度をとる現地男性に対して英語で言い返したりすることができるようになっていた。
しかも驚いたのは、そのレッスンでは英語を「暗記」せず、教材も使わなければ、宿題もなく、筆記用具すら使わずに、英語を学べたことだった。
しかも、いつも「教室」ではなく、ダウンタウン(中心部)にあるカフェで受けていたので、何も知らない人から見ると
たまたま私がレッスンを受けているところを見た知り合いから「え、あれ英語レッスンだったの?普通に友達としゃべってるんだと思った」と言われたことがある。
私がカナダでワーホリ留学中にマンツーマンレッスンで英語を習った先生は、オーストラリアのメルボルン大学でLinguistic Science(言語教育科学)という学問を修め、言語学の2つの学位を取得した英語学習の専門家で、
①Applied Linguistic Science with the specialty of Methodology of Teaching Foreigner Languages (応用言語教育科学 外国語教育方法論):母国語と同等か、それに近いレベルに短期間で外国語でも到達するための教育法。 ②Psycho-Linguistic(心理言語学):人がとくに新しい言語を習得する際の心理的葛藤(カルチャーショックやホームシックなど)や、言語の認知処理等、言語と心理的な側面を結びつきを研究する学問。 |
大学で学んだことを基に、通常はカナダやアメリカなどの主に多民族国家で、子どもを対象に行われているイマージョン・プログラム(Wikipedia:https://ja.wikipedia.org/wiki/イマージョン・プログラム)を応用して、「大人が短期間で外国語を習得するための学習法」を開発し、教えている。
だからこの英語の勉強の仕方は、先生のレッスン以外では学ぶことができず、レッスンは「暗記なし・教材なし・宿題なし」で英語を「経験」して慣れながらスピーキングを伸ばすことにフォーカスした内容になっていた。
例えば、カナダやアメリカ、南米などを先生も同行して旅行(言語冒険旅行)するコースなどもあった。
・英語の暗記(インプット)ではなく「話すこと(アウトプット)を重視した英語学習プログラム」
と
・ワーキングホリデーや留学の「サポート」
が1つになった『留学エージェント』をカナダに設立。
先生自身は英語・日本語・中国語・スペイン語・ロシア語・ポーランド語の6カ国語を話すマルチリンガルで、母国語である英語以外はすべて自身が確立した学習法を使って習得したということだった。
また大学時代に文部科学省奨学金留学生として筑波大学で交換留学していたこともあるため日本の文化にもかなり詳しく、大学卒業後に早稲田大学や東京外国語大学で言語教育の講演をしたこともあるらしい。

今は先生1人だけでなく、複数の先生方がいて、「先生1人・生徒1人のマンツーマンレッスン」どころか、「先生3人・生徒1人のレッスン(何人もの生徒に対して先生は1人の「グループレッスン」とは真逆!)」が受けられるようになっている。
ネイティブの英語が聞き取れない、を克服した方法
そのマンツーマンレッスンで習うことは、基本的にその場ですぐに1回以上使うのだが、

私にとって、とくにネイティブみたいに自然で大人っぽい英語を話すための「英語の話しことば」は初めて聞くことだったので、最初は「難しい」と感じることもあった。
だけど、最初は意識してレッスンの「外」で人と話す時に使うようにし、さらにネイティブが使っている「話しことば」が聞き取れるようにもなっていくにつれ、どんどんレッスンの「外」で習ったことを使うのが楽しくなっていった。
また、人と話す時だけなく、テレビや映画や動画を見たり、podcastなどを聞いていても、
あ、あの「話しことば」はこういう風にも使えるのか!
といった感じに、普段の生活の中で英語を自然に学んでいくことができたし、同時に自分の英語の聞き取りが上達していることも感じられた。
英語力の伸びも感じられるように
レッスンを受けて分かったことは、「英語の話しことば」は全部で13種類あり、大人が話すすべてのspeech(話)にはそのうちの1つ以上が使われている、ということ。
英語でも同じように
「話しことば」は、教科書にも書いていないし、親や学校の先生から「こう言いなさい」と教わることもない。
けれどヒトが成長する過程で周囲の人の会話から自然に習得し、いつの間にか普段の生活の中で無意識に使っている話し方のこと。
「単語」でも「文法」でもないし、「イディオム」でもない。
日本の学校や、カナダの語学学校でも勉強するような「例文を丸暗記して、ごく限られたシチュエーションでのみ使えるフレーズ」でも、ない。
どんな状況であれ、自分がそれを必要とするときに使える「自然で大人っぽい話し方をするために必須な技術(テクニック)」とも言える。
よく
英語で大人っぽい話し方をするには難しい単語を知っていなければならないのだ
と言って、やたら難しい単語を使って話す人がいるけれど、英語のネイティブの話を聞いていても、日常会話で専門用語や学術用語なんて使ってない。
それは私たち日本語のネイティブが、日常の会話で「専門用語」や「学術用語」を使っているわけではないのと同じ。
普段日本語で話していること(次に何を言おうか考えながらしゃべったり、言葉につまったり、言い間違えたり)の「延長」に英語があるのであって、「普段日本語で話しているときと同じ感覚で英語が聞き取れ、話せること」こそが、英語を話すときの自信につながるのだと思う。
(「Well…ばかり」言っていたらそれはそれで不自然に聞こえるので、色々な言い方を習った)
なぜ英語の話しことばは学校で習えないのか
ある日のレッスンで、「英語の話しことば」の一つを習いながら、ふと疑問に思い、先生に聞いてみた。

そうしたら、

私は大学で言語教育科学という学問分野を専攻したのですが、在学中にこれを見つけて、誰でも体系的に学べるようにしたのです。
GENGO OTAKU(言語オタク)ですからね!(ドヤ顔)
先生は英語のネイティブだが、他に日本語・ロシア語・中国語・スペイン語・ポーランド語の計6ヶ国語が話せる。
全て自分が体系的にまとめた理論をもとに、「大学在学中から卒業後の数年間」でマスターしたということだった。
TOEICにも役立つ「英語の話しことば」
「暗記」した知識は使わなければすぐに忘れてしまうけど、「経験」して学んだことは時間が経っても忘れない。
だから私は帰国後、英語「で」勉強することはあっても、英語「を」勉強したことはない。
特に勉強していないのにTOEICで高得点が取れた理由はおそらく、マンツーマンレッスンで文法を学び、英語を早く読めるようになったことやヒアリングが伸びたことがかなり大きい気がしている。
「be + ~ing + always =不満」を見つけたら、あとは文章を全部読んだり全部聞かなくても、問題の意図がわかり回答ができたりする。
もちろん「話しことば」もいくつも出てくるので、そこから会話の方向を推測したりすることもできた。
またTOEICのスコアアップが目的の人は、英語学習のプロである先生に個別にアドバイスを聞くことをぜひお勧めする。
まとめ
日本で英語を勉強していた時、それにカナダの語学学校(ESL)で英語を勉強していた時も、一度も聞いたことがなかった「英語の話しことば」だったが、これを習ったことで「スピーキング」だけでなく「聞き取り」もどんどん伸びていくのを感じられた。
これを習えたことで、「ネイティブとの会話が難しい」どころか、むしろ「ネイティブと会話する」ことがどんどん楽しくなっていき、さらに「話しことば」を使う機会が増える、という好循環になっていった。
私がカナダで受けていたマンツーマンレッスンは、私がワーホリ留学していた5年ほど前には先生が1人だけで教えておられましたが、現在は「英語学習」と「ワーホリや留学のサポート」が1つになった『留学エージェント』をカナダに設立され、「留学やワーホリで海外生活をするのに英語に自信がない方」、または「すでに留学やワーホリをしているけれど英語に自信がもてない方」を助けるためのレッスン(「Rescue English」プログラム)をしておられます。
そのため今は先生の他にも日本人カウンセラーさんや複数の先生方がおられ、レッスンを受けられる場所もカナダだけでなく、オーストラリア(シドニー)やフィリピン(セブ島)、またSkypeを使って世界中どこからでも受けられるようになっています。
詳しくは下の記事をご参照ください。
