
留学を経験する価値。それは日本とは違う国の文化(考え方や価値観)を学べることにある。
カナダ留学中、マンツーマンの英語レッスンで先生から「文化を知っていると異文化の海の中でも泳ぐことができます。文化を知らないといくら単語や文法やイディオムに詳しくても発音がよくても砂浜でジタバタすることしかできません」と教わった。
留学を経験し学べることは「文化」
文化というのは、そこに住んでいる人たちの考え方、行動、人と人との関係性などのこと。
カナダ・バンクーバーでワーホリ留学を経験して気づいたのは、自分が日本で勉強していたのはすべて「砂浜でジタバタするための方法」で、カナダで習得したのは「英語の海の中で泳ぐための方法」だったということ。
実際、日本の(小)中学・高校で6年間もの時間をかけて、それだけでは英語が話せるようになる人がいないことからもわかるように、いくら英語に長い時間をかけても、その「勉強方法」が間違っていれば、話せるようになるのは難しい。
確かに、日本で初めて学校教育としての英語学習が始まった明治時代は、飛行機もなければもちろんネットもなく、人々の交流も今ほどなかっただろうから、「欧米」の進んだ技術と知識を学ぶための「書物からのみ学ぶ英語」でもよかった、かもしれない。
だけどこれだけ移動・通信手段が発展した今も変わらず日本の学校では「単語や文法の暗記メイン」の勉強方法で・・本当に良いのだろうか?
英語を学ぶ「場所」だけ変えて「勉強方法」が同じなら「結果」も同じ
注意したいのは、では日本から出て英語圏の国で英語を勉強しさえすれば話せるようになるのかと言えば、一概にそうとも言えない、ということ。
例え英語圏の国にいても、日本でしていたような勉強を続けていては「場所」が変わっただけで「方法」が変わっていないので、結果は同じ「英語が話せない」になってしまう。
3ヶ月間毎日、朝から夕方まで語学学校で英語を勉強し、学校の「中」であれば
けど授業中もペラペラ喋る南米やヨーロッパ、メキシコなどからの留学生とは仲良くなれない。
学校の「外」で出会うネイティブともまるで話が続かない。
続かないどころか、見下されたような態度を取られたり。
学校に3ヶ月通った後は英語を使う仕事がしたい
と思っていたのだが、勇気を出して挑戦した無給のボランティアでさえ、英語力が足りずにすぐクビになった。
海外で語学学校に通って英語を勉強しても、内容自体は日本の学校の英語の授業と変わらない。
クラスメートが10~15人もいる①グループレッスンだから授業内で話すチャンスはなかなかなく、大半の時間は先生の講義を②リスニングし、教材を使って③単語や文法を暗記する「①+②+③=日本式の英語の勉強」で、違うのは授業が全て英語で進むということくらいだった。

だから3ヶ月やそれ以上学校に通っても、英語が「思ったほど話せない」と悩んでいる人にたくさん出会った。
「海外で英語を勉強しても話せるようにならないなんて信じられない」と思う人は、ぜひ「ワーホリ 失敗」や「留学 失敗」でググってみてほしい。
そのマンツーマンレッスンでは、語学学校の勉強とは違い、英語の「単語」や「文法」だけでなく
英語の「文化」をはじめ、
「発音」に、
世界中のどの言語にも共通して存在しているが、教科書にも辞書にも書いてなく、学校や親から教えられることもない。こどもから大人へと成長する過程で、周囲の人々の会話を見聞きする中で自然に学び、いつのまにか意識することもなくしている「話し方のパターン」のこと。
例えば次に何を言うべきか考えながら日本語で「ええと・・」と言ったりするが、英語でも同様に「 Well..」と言ったりする。
普通の「英会話レッスン」や「マンツーマンレッスン」でもよくあるような、「トピックなしのフリートーク」で先生が一方的に英語で話すのを「リスニング」するのではなく、
すると、学校に通ったのと同じ3ヶ月で、
今度は現地の人と楽しくおしゃべりしたり、ネイティブの友達ができたり、
あなたの英語は日本人ぽくない
と言われたりするようになっていた。
私がカナダでワーホリ留学中にマンツーマンレッスンで英語を習った先生は、オーストラリアのメルボルン大学でLinguistic Science(言語教育科学)という学問を修め、言語学の2つの学位を取得した英語学習の専門家で、
①Applied Linguistic Science with the specialty of Methodology of Teaching Foreigner Languages (応用言語教育科学 外国語教育方法論):母国語と同等か、それに近いレベルに短期間で外国語でも到達するための教育法。 ②Psycho-Linguistic(心理言語学):人がとくに新しい言語を習得する際の心理的葛藤(カルチャーショックやホームシックなど)や、言語の認知処理等、言語と心理的な側面を結びつきを研究する学問。 |
大学で学んだことを基に、通常はカナダやアメリカなどの主に多民族国家で、子どもを対象に行われているイマージョン・プログラム(Wikipedia)を応用して「大人が短期間で外国語を習得するための学習法」を開発し、教えている。
だからこの英語の勉強の仕方は、先生のレッスン以外では学ぶことができず、レッスンは「暗記なし・教材なし・宿題なし」で英語を「経験」して「慣れ」ながらスピーキングを伸ばすことにフォーカスした内容になっていた。
- 英語の「暗記」ではなく「話すこと」を重視した英語学習プログラム」
と
- ワーキングホリデーや留学の「サポート」
が1つになった『留学エージェント』をカナダに設立。
当時は先生が1人で教えていたが、今は複数の先生方がいて、カナダ(バンクーバー)だけでなく、オーストラリア(シドニー)やフィリピン(セブ島)での「現地レッスン」、さらにSkypeを使って世界中どこからでもレッスンが受けられるようになっている。
また先生自身は英語・日本語・中国語・スペイン語・ロシア語・ポーランド語の6カ国語を話すマルチリンガルで、母国語である英語以外はすべて自身が確立した学習法を使って習得したということだった。
大学時代に「文部科学省奨学金留学生」として筑波大学で交換留学していたこともあるため、日本の文化にもかなり詳しく、大学卒業後に早稲田大学や東京外国語大学で言語教育の講演をしたこともあるらしい。

だから私は帰国後、英語「で」勉強することはあっても、英語「を」勉強したことはない。
それでも帰国してしばらくして受けたTOEICではほぼ満点の970点が取れた。
「観光だけじゃないバンクーバー」を知るには
ワーホリをする前の自分は、カナダに行ったら英語は当然話せるようになって、現地でたくさん友達を作って、日本ではできないようなことに挑戦したり色んな自分とは異なる考え方や価値観をできるだけ吸収したいと思っていた。
現地でマンツーマンレッスンで英語を学ぶようになって、考え方や価値観とはつまり「文化」だということを知った。
バンクーバーは風光明媚な、世界的にも有名な観光地である。ガイドブックに載っているような有名どころを訪れるだけでも、それはそれで楽しいには違いない。
でもせっかくワーホリという制度を使って1年も生活ができる以上、私は「観光だけではないバンクーバー」を知りたいと思った。
バンクーバーに住んでいる人たちが、どんなことを考え、どんなことに興味をもち、どんな風に日々の生活を送っているのか。日本と同じ・似ているところは何で、違うところは何なのか。
それを知るには、単に机の上で英単語や文法を勉強しているだけでは絶対にわからず、現地の人と話してみることが一番だった。
まとめ
どんなことにしろ、人間が生活を営む上で「文化」が関係していないということはありえない。
「砂浜」でジタバタすることしかできない。
例えばカナダで「文化」について学ぶようになるまで、カフェでコーヒーを注文するときのやり取りなんかは、何回・何十回経験してはいても、それが日本とカナダの「文化の違い」だとはまったく気がついていなかった。
それが「文化」について学ぶようになってからは、毎日が、とたんに英語の・カナダの「文化」の発見の連続になった。