
オープンマインドとクローズドマインドいう言葉を聞いたことがあるだろうか。
カナダ留学中に現地の人と「Open-minded(オープンマインド)」と「Closed-minded(クローズドマインド)」について話すことが度々あった。
実はこの言葉、英語を身につける過程においてものすごく重要だった。
目次
Open-minded(オープンマインド)の意味
日本の学校の英語の授業や、カナダで語学学校に通っていた間は、聞いたことのなかったこの言葉。
しかし現地の友達ができるようになると、途端に聞くようになった。
willing to consider ideas and opinions that are new or different to your own
(自分とは違う、または自分にとっては新しいアイディアや意見を検討するのを厭わないこと)
引用元:Cambridge Dictionary
having a mind that is open to new ideas; free from prejudice or bias
(新しいアイディアに対してオープンなマインドを持っていること。偏見や先入観にとらわれていないこと)
Closed-minded(クローズドマインド)の意味
「Closed-minded(クローズドマインド)」は、「オープン」とは逆の状態のこと。
not willing to consider different ideas or opinions
(違うアイディアや意見を検討するのを厭うこと)
引用元:Merriam Webster
having a mind unreceptive to new ideas, arguments, etc; prejudiced
(新しいアイディアや議論などを受け入れないこと。偏見を持っていること)
引用元:Collinsdictionary
英語を話したいなら「オープンマインド」が重要
では、自分がすでに知っている言語とは違う言語、自分にとっては新しい言語、つまり「英語」を身につける過程において、
Open-minded(オープンマインド)
と
Closed-minded(クローズドマインド)
では、どちらの方が上達が早そうだろうか?
私が日本で中学校に入ったとき、英語の授業で何度も何度もくり返し教わったのは、
How are you?
と言われたら
I’m fine, thank you. And you?
と答えるという、ネイティブイングリッシュスピーカーは絶対にしない挨拶だったのだが、そんなものより私は「Open-minded(オープンマインド)」と「Closed-minded(クローズドマインド)」の違いをまず最初に教えて欲しかったと思う。
日本で英語を勉強しても話せない理由
中学校に入学した12歳の頃から、何年も何年も単語と文法を暗記してきたけれども、いざカナダに着いたら、
・・思っていた以上に英語で話せない。
日本にいる時には英語を使う機会などなかったので、自分がどれくらい英語ができないか、わからなかった。
カナダでホームスティをしていた家のホストブラザーから、自分が英語の「最も基本的な挨拶」だと思っていた「I’m fine, thank you. and you?」を笑われて、でも当時の私にはなぜ彼が笑ったのかさえ、わからなかった。
日本では英語を実生活の中で使う機会などないが、カナダに行けば生活すべてが英語になる。
だから
カナダでは、自分の「日本で勉強してきたこと」をどんどん出していけば、どんどん話せるようになっていくはず
という、淡い期待をもっていたのに、その「勉強してきたこと」自体がそもそも間違っていたとは。
日本では、たとえ高学歴でも、TOEICがどんなに高スコアでも、「英語で他人とコミュニケーションできない」人がまったく珍しくない。
それはそもそも、日本の学校教育では「英語で話すこと」よりも「とにかく英語のテストで点を取ること」が最優先になっているからなのだと思う。
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海外の語学学校の勉強も日本と同じだった
カナダで語学学校に行かなくてはいけないのかも、実のところ私にはよくわからなかった。
なぜなら、ワーホリをする人のほとんどは海外で語学学校に行くのに、「ワーホリして英語がペラペラになった」という人の話を聞いたことがなかったから。
でも「英語が話せるようになるにはとにかく学校に行って勉強すること」だと、カナダに行く前に相談した人全員から言われたし、他にどうしたらいいのかもわからないから、「そうするしかないのだ」と思って、カナダの語学学校(ESL)に申し込みをした。
6年以上も日本で英語を「勉強」(=単語と文法を暗記)してきていながら英語が話せていないという現実がありながら、私はカナダでも、日本でしていたことと同じことをすることに・・・決めた。
海外で語学学校に通って英語を勉強しても、内容自体は日本の学校の英語の授業と変わらない。
クラスメートが10~15人もいる①グループレッスンだから授業内で話すチャンスはなかなかなく、大半の時間は先生の講義を②リスニングし、教材を使って③単語や文法を暗記する「①+②+③=日本式の英語学習」で、違うのは授業が全て英語で進むということくらいだった。

だから3ヶ月やそれ以上学校に通っても、英語が「思ったほど話せない」と悩んでいる人にたくさん出会った。
「海外で英語を勉強しても話せるようにならないなんて信じられない」と思う人は、ぜひ「ワーホリ 失敗」や「留学 失敗」でググってみてほしい。
というか、学費と時間を失い、事態はむしろ悪くなっていた。
そんなとき、英語をマンツーマンレッスンで教えている先生がいると知り合いから聞いて、その先生に連絡をとり、ダウンタウンの図書館で体験レッスンを受けることになった。
英語を「文化」から学ぶのは、「新しいアイディア」だった
するとそこで、

英語を「暗記」するのではなく、英語の「文化(考え方や価値観・行動パターン・ライフスタイル・人と人との関係性のことなど)」を「経験」して学んだほうが上達が早いですよ
私がカナダでワーホリ留学中にマンツーマンレッスンで英語を習った先生は、オーストラリアのメルボルン大学でLinguistic Science(言語教育科学)という学問を修め、言語学の2つの学位を取得した英語学習の専門家で、
①Applied Linguistic Science with the specialty of Methodology of Teaching Foreigner Languages (応用言語教育科学 外国語教育方法論):母国語と同等か、それに近いレベルに短期間で外国語でも到達するための教育法。 ②Psycho-Linguistic(心理言語学):人がとくに新しい言語を習得する際の心理的葛藤(カルチャーショックやホームシックなど)や、言語の認知処理等、言語と心理的な側面を結びつきを研究する学問。 |
大学で学んだことを基に、通常はカナダやアメリカなどの主に多民族国家で、子どもを対象に行われているイマージョン・プログラム(Wikipedia)を応用して「大人が短期間で外国語を習得するための学習法」を開発し、教えている。
だからこの英語の勉強の仕方は、先生のレッスン以外では学ぶことができず、レッスンは「暗記なし・教材なし・宿題なし」で英語を「経験」して「慣れ」ながらスピーキングを伸ばすことにフォーカスした内容になっていた。
例えば、カナダやアメリカ、南米などを先生も同行して旅行(言語冒険旅行)するコースなどもあった。
・英語の暗記(インプット)ではなく「話すこと(アウトプット)を重視した英語学習プログラム」
と
・ワーキングホリデーや留学の「サポート」
が1つになった『留学エージェント』をカナダに設立。
先生自身は英語・日本語・中国語・スペイン語・ロシア語・ポーランド語の6カ国語を話すマルチリンガルで、母国語である英語以外はすべて自身が確立した学習法を使って習得したということだった。
また大学時代に文部科学省奨学金留学生として筑波大学で交換留学していたこともあるため日本の文化にもかなり詳しく、大学卒業後に早稲田大学や東京外国語大学で言語教育の講演をしたこともあるらしい。

さらに当時は先生が1人だけで教えていたが、今は複数の先生方がいて、「先生1人・生徒1人のマンツーマンレッスン」どころか、「先生3人・生徒1人のレッスン(何人もの生徒に1人の先生がつく「グループレッスン」とは真逆!)」が受けられるようになっている。
・・英語を何年もかけて暗記したところで、英語は話せないということは、日本とカナダで英語を暗記し続けた結果、自分がまさにそうなっているのだから、「たしかにそうだ」と思った。
思ったのだが、しかし、かと言って自分にとって「完全に新しいアイディア」をすんなり受け入れて、何年もしてきたことを急にピタッと止めてしまうというのは、私にはすぐできることではなかった。
英語を暗記することしかしたことがなかった当時の自分には、英語の文化とは何なのか?、いまいちピンときていなかったし、英語の「文化」を「経験」して学ぶとはどういうことなのか??
もっとわからなかった。
だからそのマンツーマンの英語レッスンが始まってしばらくしても、私はまだ英単語帳を「丸暗記するまでは手放すまい」と、大事に大事に持っていた。
まとめ
私が先生の言う 「新しいアイディア」に本当に耳を傾け始めたのは、

あまりに長い間「英単語を暗記」してきたために、いきなりそれを止めるというのには戸惑いももちろんあったけれど、私はやっと「新しいアイディア」を受け入れ始めた。
あの時、私の「Closed-minded(クローズドマインド)」が「Open-minded(オープンマインド)」に、少し、変わったのだと思う。