
カナダでワーホリ中「ランゲージエクスチェンジ(Language Exchange)」をしようとしたことがある。
当時英語を勉強していたが上達を感じられず焦っていたので日本人の友達に相談したところ教えられた。
詳しく聞くと「日本語を勉強したい外国人と英語を勉強したい日本人が互いの言語を無料で教える」のだという。
「教えると言っても本当にカジュアルなものだし、だいたい素人同士だし無料だから、どれだけ教えられるかどれだけ上達するかは謎だけど、もし友達になれれば英語も伸びるかもよ〜」とのこと。
私は当時、英語が伸びる可能性のあるものであれば何でも試したいというワラにもすがる気持ちだったから、早速ネットでランゲージエクスチェンジパートナーというものを探してみることにした。
目次
ランゲージエクスチェンジは英語の勉強…出会い系?
すると、出るわ出るわ。
日本語を学びたいのでランゲージエクスチェンジをしませんか?
という募集がたくさんあった。
が、しかし、募集を一つひとつよく見てみると、私はできたら女の人とエクスチェンジしたいと思っていたのだが、ジャパニーズスピーカーを探しているイングリッシュスピーカーの99%が男性であり、かつ、結構な割合で
もしやこれは・・「ランゲージエクスチェンジ」という名の「出会い系」なのではないか?
とまずそこで思った。
けど中には(あくまで書いていることは)まともそうな人もいたので、そのうちの2人に
こんにちは。私はバンクーバーに来て3ヶ月になる日本人女子です。よければランゲージエクスチェンジしませんか?
というメールを送ってみた。
するとすぐに返信が届き、うち1人目からは
こんにちは! 君の顔写真送って!
と、2人目からは
メールありがとう! 君、facebookしてる? アカウント教えてよ!
だった。
つまり2人とも言語がどうのこうのよりもまず、「私の顔を見せてほしい」ということであり、
あ〜、この人たちの目的は日本語を上達させることなどではないな
と、すぐに気が付いた。
その後も私からは一切返事をしなかったのだが、彼らからはしつこく何度もメールがきたことには辟易した。
後日そのことを友達に話すと、
そうなんだ。ごめんね、私はしたことないから知らなかった!
と言われ、私はバーチャルな世界でランゲージエクスチェンジパートナーを探すことは、時間の無駄だと思い、止める事にした。
女性はトラブルにも注意!
当時通っていた現地の語学学校(ESL)でもそのことを話すと、
ランゲージエクスチェンジのトラブルたくさん聞くよ。とくに女性は注意しないとね。
と学校の先生に言われてしまった。
この先生の言う通り、女性は特に注意してほしい。
現地の友達ができたら自然に英語を学べた
結局、語学学校には3ヶ月通ったのだが、あまり英語の上達を感じられなかった。
たしかに学校の「中」であれば
けど授業中もペラペラ喋る南米やヨーロッパ、メキシコなどからの留学生とは仲良くなれない。
学校の「外」で出会うネイティブともまるで話が続かない。
続かないどころか、見下されたような態度を取られたり、
カフェで注文していても、なぜか冷たくあしらわれたり・・。
学校に3ヶ月通った後は英語を使う仕事がしたい
と思っていたのだが、勇気を出して挑戦した無給のボランティアでさえ、英語力が足りずにすぐクビになった。
海外で語学学校に通って英語を勉強しても、内容自体は日本の学校の英語の授業と変わらない。
クラスメートが10~15人もいる①グループレッスンだから授業内で話すチャンスはなかなかなく、大半の時間は先生の講義を②リスニングし、教材を使って③単語や文法を暗記する「①+②+③=日本式の英語の勉強」で、違うのは授業が全て英語で進むということくらいだった。

だから3ヶ月やそれ以上学校に通っても、英語が「思ったほど話せない」と悩んでいる人にたくさん出会った。
「海外で英語を勉強しても話せるようにならないなんて信じられない」と思う人は、ぜひ「ワーホリ 失敗」や「留学 失敗」でググってみてほしい。
そこで英語の単語や文法だけでなく、
英語の文化や、
人々の考え方や価値観・行動パターン・ライフスタイル・人と人との関係性などのこと。
ネイティブみたいに自然で大人っぽい英語を話すための「英語の話しことば」
世界中のどの言語にも共通して存在しているが、教科書にも辞書にも書いてなく、学校や親から教えられることもない。こどもから大人へと成長する過程で、周囲の人々の会話を見聞きする中で自然に学び、いつのまにか意識することもなくしている「話し方のパターン」のこと。
例えば次に何を言うべきか考えながら日本語で「ええと・・」と言ったりするが、英語でも同様に「 Well..」と言ったりする。
そして、友達から自然な(ネイティブが使うような)英語の表現や、行動の仕方などを学部ことができるようになっていった。
友達からランゲージエクスチェンジを頼まれたこと
ちなみに、現地でできた友達の何人かから、
日本語に興味があるからランゲージエクスチェンジしてくれない?
と言われたこともある。
しかし私の返事は

友達なのになぜ断るのかというと、ネイティブの友達ができるようになった頃には、ただ漫然とおしゃべりをするだけではなかなか思い通りに話せるようになるのは難しい、ということがその頃には分かっていたから。
それにいくら母国語とはいえ、日本語を教えるためにはそれなりに勉強をしていないと難しいと思ったことが何度もあったから。
母国語でも説明できないことが多々ある
たとえば日本語を勉強している友達から、
日本語では1から10まで数える時に
「いち、に、さん、シ、ご、ろく、シチ、はち・・」と言うのに、
どうして10から数える時には
「じゅう、きゅう、はち、ナナ、ろく、ご、ヨン、さん・・」なの?なぜ「4」と「7」の言い方を変えるの?
と尋ねられたとき、私は

何でと言われても・・そんなこと考えたこともなかったよ!
言い方が変わるのは、単にその方が言いやすいからじゃないかなあ・・
友達はまったく納得できない、といった顔をしていた。
日本語は性別によっても話し方が違う
また、日本語が母国語の人は普段意識していないかもしれないが、日本語は「性別によって異なる話し方をする言語」である。
「単語」が違う
たとえば「自分」を表す単語は、英語なら
I(アイ)
の1つしかない。
でも日本語だと
わたし
ぼく
ウチ
オレ
あたし
おいら
〇〇ちゃん(幼い女の子が自分の名前をちゃん付けで呼ぶ)
おいどん
我輩
・・などなど、「自分」という「単語」ひとつ取っても言い方が性別により異なり、かつ無数にあるのが日本語である。
実は英語でも、「性別によって違う単語」を使うということはある。
たとえば日記は女性なら「Diary」で男性は「Journal」など。しかしその数は日本語よりずっと少ない。
「語尾」も違う
たとえば
今日学校に行った
ということが言いたいとき。
英語では女性だろうが男性だろうが
I went to school today.
のこの1通りの言い方しかない。
でも日本語では、語尾を変化させることによっても「男の話し方」or「女の話し方」を成立させている。
つまり女性は
今日学校に行ったの
と言ったり、男性は
今日学校に行ったぜ
と言ったり。
これが私が、いくら自分の母国語であっても、言語を外国人に体系だって教えるためには勉強をしないと難しい・・と思う理由である。
まず「日本語の文法を説明して」と言われてもできないし・・。
まとめ
さて肝心のランゲージエクスチェンジの効果はどうなのか、英語が学べるのかというと、
ランゲージエクスチェンジをしたことはある
という人にはカナダでたくさん出会ったが、
ランゲージエクスチェンジで英語が伸びた
という人には出会ったことがない。
私の実感では、時々会って適当におしゃべりをするだけで英語が伸びていくというのは・・かなりムズカシイのではないだろうか。
大人が外国語を学ぶ時には、最初から専門の知識や経験をもつ人から教わった方が早道ではないかと、自分の経験からも思う。