
カナダワーホリ中「ネイティブの友達ができない」と友達作りに嘆く人によく出会った。
海外にいても学校はアジア人のクラスメートばかりだし職場もジャパレスなど日本人が多い場所。
だからネイティブの友達ができない、と。
私も始めはそう思っていたがあることを学んでから友達を作るのが難しくなくなった。
目次
ワーホリで友達作りに悩む人・友達できない人は多い
カナダのバンクーバーでワーホリ中、日本人の友達とカナダ人の友達との数人で、郊外にあるカーリング施設に遊びに行った帰り道の出来事。
私と日本人の友達(Yuta;仮名)は、スカイトレイン(バンクーバーの電車/地下鉄)の駅の方向が同じだったので、一緒に帰っていた。
Yutaは留学ビザとワーホリビザを使って、当時すでにバンクーバーに1年以上住んでいたが、
日本人か韓国人の友達しかいない。
1人ぐらいはカナダ人(ネイティブ)の友達が欲しい!
と常々言っていた。
現地の語学学校(ESL)に通うワーホリメーカーや留学生は、わりと皆同じようなことを言っていた。
日本にいるとあまりイメージが持てないかもしれないが、日本人がワーホリで行くような海外の都市の語学学校で勉強しているのはほとんどが日本人か、韓国人。
パンフレットでは多国籍の留学生が一緒に勉強しているイメージだったので、現地に着いてから驚いた。
中にはヨーロッパや南米からの留学生もいるが、大体は外見や文化(考え方や価値観)の似ている日本人と韓国人同士が仲良くなりやすいのだった。
じゃあ今度こういうイベントがあって、カナダ人もたくさん来るからYutaも来たら?
皆いい人たちだよ〜
とYutaをそこへ招待していたのだった。
なので帰り道、その日の感想を聞いてみたところ、

まあ・・。久しぶりに体動かしたから良い気分転換になったかな
と言う。

JimmyとかAaronとかとおしゃべりしてたよね?
う~ん・・まあしゃべったっちゃあ、しゃべったけど・・
と何だか歯切れが悪い。

・・またみんなで遊びに行こうって言ってるのが聞こえたよ?
あぁ、言ってたけど、どうしようかなあ。
あいつらめっちゃしゃべるからぶっちゃけ引いたんだよね!
カナダ人て自己中じゃね?
こっちは聞いてもないのにベラベラ自分のことばっか話しすぎだろ、ていう。

Yutaがいつも一緒にいるのは
私にはそのとき彼が
日本人と英語ネイティブ、双方がもつ違和感の原因
日本人のYutaの目には、自分のことをペラペラ話し、他人の話もしょっちゅうさえぎるカナダ人は
一方で、カナダ人の目には、相手の話をただ聞いているだけの日本人は[asidetype=”boader”]自分で周囲との壁を作っているつまらない人[/aside]に映る。
なぜならそこには「文化」の違いがあるから。
ある特定の集団における人々の考え方や価値観、行動の仕方、ライフスタイル、そして人と人との関係性のこと。
①相手の話が優先:日本の文化
バンクーバーで英語をマンツーマンレッスンで習い、そこで日本とカナダの「文化」の違いについて学ぶまでの私は、ネイティブイングリッシュスピーカーとの会話となるとただひたすら聞き役になっていることがよくあった。
それは、私が相手の英語についていくのに必死で「リスニング」に集中する必要があったということももちろんあるが、相手が何を言っているのかよくわからなくても、とにかく相手の話を最後まで黙って聞くべきだと思っていたということもある。
なぜなら、当時の私は
- (とくに初対面では)謙虚であることが重要なので、自分の話をするより相手の話を聞く
- 相手の話はさえぎらずに最後まで聞く!
- それが日本の文化では「相手を尊重している」という意味になる
だからほとんどの場合、私の「英会話」は「Conversation(会話)」というよりは、「Monologue(ひとり語り)」になっていた。
②自分について積極的に話す:英語の文化
Yutaからすると、相手の話を最後までだまって聞き、自分のことをほとんど話さない自分の態度は、
一方で、自分のことをベラベラたくさん話すカナダ人は
でも実は、日本語よりもずっとフレンドリー(friendly)であることが重要な英語の/カナダの「文化」では、
- (とくに初対面では)相手に自分のことを知ってもらうことで仲良くなりたいから、自分の話をたくさんする
- 相手の話をさえぎって質問するのは「相手の話に興味がある」というサイン!
- それがカナダの文化では「相手を尊重している」という意味になる
ワーホリから帰国後のことになるが、ニュージーランドで旅行した時も、このような文化の違いを感じる出来事があった。
↓
という解釈になる。
だからYutaにとっては自分のことをよくしゃべるカナダ人は「失礼な人」だったかもしれないが、そのカナダ人からすると、自分のことをちっとも他人とシェアしないYutaの方がよっぽど「失礼な人」なのだった。
実際、後日JimmyとAaronと会う機会があり、次の週末は前話していた所へ行こうという話題になったので

Yuta? ああ、こないだ来ていた彼か。 彼つまんなそうにしてたし、来れないなら来れないで別にいいんじゃない?
という反応しかなかった。
ワーホリでネイティブの友達の作り方
ネイティブと友達になりたいと思っていながら、
ネイティブの人からしても、始めはその日本人と友達になりたいと思っていたとしても、目の前にいる人が自分の話をただ黙って聞いているだけで、何も話してくれないとなると、距離を感じてしまい、結果、友達になれないという状況を度々目にした。
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自分もそうだったのでわかるが、ワーホリというとほとんどの人が語学学校に通って英語を勉強することを考えると思う。
しかし語学学校(ESL)で英語を勉強しても、そこでは日本と同じように英語の単語や文法を学ぶばかりで、英語の「文化」については学ぶことはできない。
私はカナダでワーホリを始めて最初は語学学校(ESL)に3ヶ月通っていたが、そこではカナダの(英語の)「文化」について学んだことはなかった。
というか、クラスメートの90%は日本人か韓国人だったから、知らぬ間に英語ではなくて「韓国の文化」を学んでいたくらいだった。
海外で語学学校に通って英語を勉強しても、内容自体は日本の学校の英語の授業と変わらない。
クラスメートが10~15人もいるから授業内で話すチャンスはなかなかなく、大半の時間は先生の講義を「リスニング」し、教材を使って単語や文法を「暗記」する「日本式の英語の勉強」で、違うのは授業が全て英語で進むということくらいだった。

だから3ヶ月やそれ以上学校に通っても、英語が「思ったほど話せない」と悩んでいる人にたくさん出会った。
「海外で英語を勉強しても話せるようにならないなんて信じられない」と思う人は、ぜひ「ワーホリ 失敗」や「留学 失敗」でググってみてほしい。
そして学校の「中」であれば「留学生の英語に慣れているネイティブの先生」や「自分と似たような発音や文法のミスをする日本人や韓国人の留学生」となら話せるし、友達にもなれた。
けど学校を一歩「外」に出ると、ネイティブとは話が続かない。
続かないどころか、見下されたような態度を取られたり、
カフェで注文していても、なぜか冷たくあしらわれたり・・。
悩んでいたところ、知り合いから聞いてマンツーマンの英語レッスンプログラムを受けるようになった。
そこで英語の「文化」から習うようになったら、同じ3ヶ月で今度は現地の人と楽しくおしゃべりしたり、「あなたの英語は日本人ぽくない」と言われたり、ネイティブの友達が自然にできたりするようになっていた。
私がカナダでワーホリ留学中にマンツーマンのレッスンプログラムで英語を習った先生は、オーストラリアのメルボルン大学でLinguistic Science(言語教育科学)という学問を修め、言語学の2つの学位を取得した英語学習の専門家で、
①Applied Linguistic Science with the specialty of Methodology of Teaching Foreigner Languages (応用言語教育科学 外国語教育方法論):母国語と同等か、それに近いレベルに短期間で外国語でも到達するための教育法。 ②Psycho-Linguistic(心理言語学):人がとくに新しい言語を習得する際の心理的葛藤(カルチャーショックやホームシックなど)や、言語の認知処理等、言語と心理的な側面を結びつきを研究する学問。 |
大学で学んだことを基に、通常はカナダやアメリカなどの主に多民族国家で、子どもを対象に行われているイマージョン・プログラム(Wikipedia)を応用して「大人が短期間で外国語を習得するための学習法」を開発し、教えている。
だからこの英語の勉強の仕方は、先生のレッスン以外では学ぶことができず、レッスンは「暗記なし・教材なし・宿題なし」で英語を「経験」して「慣れ」ながらスピーキングを伸ばすことにフォーカスした内容になっていた。
- 英語の「暗記」ではなく「話すこと」を重視した英語学習プログラム」
と
- ワーキングホリデーや留学の「サポート」
が1つになった『留学エージェント』をカナダに設立。
当時は先生が1人で教えていたが、今は複数の先生方がいて、カナダ(バンクーバー)だけでなく、オーストラリア(シドニー)やフィリピン(セブ島)での「現地レッスン」、さらにSkypeを使って世界中どこからでもレッスンが受けられるようになっている。
また先生自身は英語・日本語・中国語・スペイン語・ロシア語・ポーランド語の6カ国語を話すマルチリンガルで、母国語である英語以外はすべて自身が確立した学習法を使って習得したということだった。
大学時代に「文部科学省奨学金留学生」として筑波大学で交換留学していたこともあるため、日本の文化にもかなり詳しく、大学卒業後に早稲田大学や東京外国語大学で言語教育の講演をしたこともあるらしい。

まとめ
反対に言えば、日本と自分がワーホリで住んでいる国の「文化の違い」を理解することができれば、現地でネイティブの友達を作ることはまったく難しくないと、自分の経験からも思った。