
留学前はどんな英語の単語帳を使って勉強すれば良いのか。
留学準備として英語の単語や文法を1つでも多く覚えようとしたが現地に着いたら思った以上に英語で会話できないことにショックを受けた。
自然な英語を話すためには「単語や文法を暗記」よりも重要なことがあった。
目次
留学前に英語の単語力を上げるため勉強したが…
カナダでワーホリ留学を始める前、私は高校で使った単語帳を引っ張り出したり、新たに英語の問題集を買ったりして単語力を上げようとしていた。
だけど実際現地に着いたら、思っていたよりも英語を話せないこと、ネイティブが話す英語は早すぎて聞き取れないことにショックを受けた。
なにせバンクーバーの空港(YVR)に着いた瞬間、空港の職員が何を言っているのか理解できず、ワーホリのビザをもらわずに空港を出るところだったくらい。
ホームステイ先に着いて挨拶をすれば、ホストブラザーから
めっちゃ日本人英語!
と爆笑された。
なんで自分は日本にいる間にもっと勉強してこなかったのだろう・・
と後悔したが、後の祭り。
一刻も早く英語が話せるようになりたい!
と思い、語学学校(ESL)に申し込み、今度は独学ではなく学校に通って英単語や文法を勉強することになった。
そうして3ヶ月が過ぎたが、自分が「英語を話せている」という感覚が、ない。
3ヶ月間、毎日朝から夕方まで英語を勉強し、放課後や週末までも図書館に行ったりして、英語を勉強した。
そして学校の「中」であれば「留学生の英語に慣れているネイティブの先生」や「自分と似たような発音や文法のミスをする日本人や韓国人の留学生」となら話せるし、友達にもなれた。
けど学校を一歩「外」に出ると、ネイティブとは話が続かない。
続かないどころか、見下されたような態度を取られたり、
カフェで注文していても、なぜか冷たくあしらわれたり・・。
無給のボランティアでさえ、英語力が足りずにすぐクビになった。
というのも
だからたまに語学学校の「外」でネイティブの人と話す機会があったとしても、
海外で語学学校に通って英語を勉強しても、内容自体は日本の学校の英語の授業と変わらない。
クラスメートが10~15人もいるから授業内で話すチャンスはなかなかなく、大半の時間は先生の講義を「リスニング」し、教材を使って単語や文法を「暗記」する「日本式の英語の勉強」で、違うのは授業が全て英語で進むということくらいだった。

だから3ヶ月やそれ以上学校に通っても、英語が「思ったほど話せない」と悩んでいる人にたくさん出会った。
「海外で英語を勉強しても話せるようにならないなんて信じられない」と思う人は、ぜひ「ワーホリ 失敗」や「留学 失敗」でググってみてほしい。
留学中に英単語を勉強したがやっぱり使えない
その頃の私は、すでに「20歳を過ぎた大人」なのにもかかわらず、英語で話そうとすると自分の考えや気持ちを思うように言えず、カナダでは自分がまるで小さな子どもになったような気がしていた。
そして当時、自分が思うように英語が話せない原因は
自分に単語力がないから
とか
文法の理解がまだあやふやだから
なのだろう・・と思っていた。
カナダで3ヶ月間、毎日朝から夕方まで英語を勉強し、放課後や週末までも図書館に行ったりして、自分的にはとてもマジメに英語を勉強したつもりだったのにまだ全然「英語が話せている」という気がしない。
悩んでいた時、知り合いからマンツーマンレッスンで英語を教えている先生がいると聞き、その先生のレッスンプログラムを受けるようになった。
単語と英語力の関係
その日、マンツーマンレッスンを受けるためダウンタウンのカフェに着いたら、先生が先に来て席に座っていた。
(そのレッスンはいつもカフェで受けていた。)
私は
あ、レッスンの前にトイレに行っておこう
と思い、

国や地域によってトイレの呼び方というのは違い、カナダではWashroomと言っていたが、アメリカではBathroomやRestroomをよく聞いた。
ちなみにToiletというと便器そのものを指す事になるので注意。

Can I go to the washroom?
って聞きましたよね。
その文章に使われている単語の一つ一つはなにも間違ってないですし、文法だってどこもおかしくないですし、もしCanaさんが小学生だったら、私はたぶん何も言わないと思います。
でも、Canaさんはもう大人ですよね?
大人のレディが
トイレ行ってきていいですか
と面と向かって言うのは・・少し子どもっぽいと言いますか、ダイレクト過ぎると思いませんか?
もしここが日本で、私達が日本語で話していたとしても、Canaさんはそんな風に言うのでしょうか。
わざわざトイレがどうこう・・なんて言わなくても、
Give me second.
(数秒下さい=ちょっと待ってて下さい)
とか
I’ll be back.
(すぐ戻ります)
とだけ言って席を離れれば良いですよ。
その方がスマートに聞こえるし、歳相応の話し方だという気がしませんか?

「トイレに行く」なんてわざわざ先生に対してはっきり言う必要などなかったと私はそこで初めて気がつき、同時に自分の発言がちょっと恥ずかしくもなった。
まあ、これが英語のレッスンでよかったとも同時に思ったけれど。だってこれがもし自分の気になる人とのデートだったりしたら・・・!
私がカナダでワーホリ留学中にマンツーマンレッスンで英語を習った先生は、オーストラリアのメルボルン大学でLinguistic Science(言語教育科学)という学問を修め、言語学の2つの学位を取得した英語学習の専門家で、
①Applied Linguistic Science with the specialty of Methodology of Teaching Foreigner Languages (応用言語教育科学 外国語教育方法論):母国語と同等か、それに近いレベルに短期間で外国語でも到達するための教育法。 ②Psycho-Linguistic(心理言語学):人がとくに新しい言語を習得する際の心理的葛藤(カルチャーショックやホームシックなど)や、言語の認知処理等、言語と心理的な側面を結びつきを研究する学問。 |
大学で学んだことを基に、通常はカナダやアメリカなどの主に多民族国家で、子どもを対象に行われているイマージョン・プログラム(Wikipedia)を応用して「大人が短期間で外国語を習得するための学習法」を開発し、教えている。
だからこの英語の勉強の仕方は、先生のレッスン以外では学ぶことができず、レッスンは「暗記なし・教材なし・宿題なし」で英語を「経験」して「慣れ」ながらスピーキングを伸ばすことにフォーカスした内容になっていた。
・英語の暗記(インプット)ではなく「話すこと(アウトプット)を重視した英語学習プログラム」
と
・ワーキングホリデーや留学の「サポート」
が1つになった『留学エージェント』をカナダに設立。
先生自身は英語・日本語・中国語・スペイン語・ロシア語・ポーランド語の6カ国語を話すマルチリンガルで、母国語である英語以外はすべて自身が確立した学習法を使って習得したということだった。
また大学時代に文部科学省奨学金留学生として筑波大学で交換留学していたこともあるため日本の文化にもかなり詳しく、大学卒業後に早稲田大学や東京外国語大学で言語教育の講演をしたこともあるらしい。

単語をただ暗記しても自然な英語にならない
これを言ったら相手がどう思うか、どう感じるかなんて考えることもなく、言いたいことをストレートにそのまま言う。
それはつまり「子ども」。
自分の母国語である日本語でだったら、そんなこと考えるまでもなく自然にしているはずのことなのだけれど、でもそれが英語になると、できていなかった。
「単語の数」はあまり関係ない
Give me second.
も
I’ll be back.
も、どちらもとても短くて、この2つの文章に使われている一つひとつの単語は、当時の私でも全部知っていた。
「難しい単語」ならよいわけでもない
どんなに単語や文法をおぼえようが、テストで良い点を取ろうが、それで自然な英語が話せるようになるわけではない。
Can I go to the washroom?
の方が長いし、どちらかと言うと難しい英語だとも思った。
(そもそも「washroom」という単語を私はカナダに行くまで知らなかったし。)
でも大人が話す英語としては、「Give me second」や「I’ll be back」の方が自然で、「Can I go to the washroom?」は幼稚に聞こえてしまう。
「暗記した英語」と「経験で学んだ英語」
「暗記」した知識は使わなければすぐに忘れてしまうけど、「経験」して学んだことは時間が経っても忘れない。
それでも帰国してしばらくして受けたTOEICではほぼ満点の970点が取れた。
まとめ
学校のペーパーテストでは
Can I go to the washroom?
と書けば、単語や文法的には正しいので丸がつくかも知れない。
でもいくら単語や文法が正しくても、実際の会話の中では「そんな言い方しない・・」ということは結構ある。
その上で「単語をもっと覚えたい!」となったら、それはそれで効率よく覚えるための勉強法がある。
カナダでワーホリ留学を始めて、語学学校に通ってひたすら単語や文法を暗記していた時は、英語で話そうとすると途端に自分が「小さな子ども」になったかのような気がしていた。
でも現地で「ネイティブのような大人っぽくて自然な英語の話し方」を学ぶようになってからは、英語を話すときでもどんどん「大人の自分」が感じられるようになっていった。
(トイレに行っていいですか?)