
ニュージランド人の国民性、性格(人柄)が垣間見える出来事に南島を旅行中遭遇した。
それは日本語と英語の「文化(考え方や価値観)」の違いを感じるものだった。
ニュージーランドの国民性・性格(人柄)は?基本情報
まずニュージーランドと日本の面積を比べると、ニュージーランド全体の国土面積は日本の半分ぐらい。
人口は日本が約1億2700万人であるのに対し、約500万人。(ちなみに500万人というと福岡県一県の人口と同じくらい。)
私はニュージーランドを1週間ひとり旅したのだが、途中ニュージーランド出身の女性と話していたら、
ここは人よりも羊の方が多い国なのよ〜!
と言って笑っていた通り、本当にいたるところ羊がいた。
そしてそんなニュージーランドののどかさや自然の雄大さが、私はけっこう気に入った。
ニュージーランドで感じた文化の違い
さてその日私はニュージーランドの南島にある、星が美しいことで有名なテカポからクライストチャーチへ、長距離バスで移動をしていた。
ニュージーランドには北島と南島の2つの大きな島があるのだが、人口の多い日本とはちがって電車はごく一部の都市にしかない。そのため主な交通手段はバスやレンタカー、飛行機になっている。(私が旅行したのは2017年。)
雨がしとしと降る肌寒い日で、暖房がきいたバスの中、私は本を読みながらうつらうつらしていた。
他の乗客も同じような感じで、しゃべっている人もほとんどいない。
と、静寂を破って突然、バスの運転手さんが
Anybody’s up!?
(だれか起きてる!?)This town is called ~~.
(ここは~~という町だよ)
私の ex-wife(離婚した妻)が住んでる町だよ!
としゃべり始めた。
一瞬でみんな笑い出し、私も笑いながら、
あー、日本とは違う「文化」だなぁ~
と思った。
人々の考え方や価値観・行動パターン・ライフスタイル・人と人との関係性のこと。
日本では「タブー」でもニュージーランドでは「ジョーク」
たとえば日本で長距離バスに乗っていたとする。
そのとき運転手さんが運転しながら話をしてくれることは、そこまで珍しくないと思う。
でもそれは「観光情報」や、「歴史の話」や、「天気の話」であって「運転手さん自身のプライベートな話」ではない。
日本の公共交通機関の運転手さんが仕事中、乗客に向かって
みなさん、今このバスが走っている町には自分の離婚した妻が住んでるんですよ!
なんて個人的なこと、まず絶対に言わないと思う。
私はこれが、日本とニュージーランド、日本語と英語の「文化の違い」だと感じた。
日本では他人に対して礼儀正しく接することが重要なので、(とくに仕事中や初対面では)あまり自分のことをオープンに話さないのが「普通」。
一方、ニュージーランドの英語の「文化」では、他人に対してフレンドリーに接することが重要なので、初対面や仕事中でもこんな風にオープンに自分のことを話してOK。(もちろん時と場合にもよるが。)
そういうことを私はカナダでワーホリ中にマンツーマンの英語レッスンで習ったのだが、「礼儀正しさ」よりも「フレンドリーさ」が重視されるのは、カナダでも同じだった。
日本で同じことを運転手さんが言ったとして、みんな笑うだろうか?
逆に「しーん・・」となりそうである。
これは日本では「離婚=悪いこと」というイメージが強く、かつ離婚したということは本人に何か問題があったと考える傾向が強いからなのだと思う。
でもニュージーランドでは、離婚がこんな風に笑いになってしまうのだった。
私がカナダでワーホリ留学中にマンツーマンレッスンで英語を習った先生は、オーストラリアのメルボルン大学でLinguistic Science(言語教育科学)という学問を修め、言語学の2つの学位を取得した英語学習の専門家で、
①Applied Linguistic Science with the specialty of Methodology of Teaching Foreigner Languages (応用言語教育科学 外国語教育方法論):母国語と同等か、それに近いレベルに短期間で外国語でも到達するための教育法。 ②Psycho-Linguistic(心理言語学):人がとくに新しい言語を習得する際の心理的葛藤(カルチャーショックやホームシックなど)や、言語の認知処理等、言語と心理的な側面を結びつきを研究する学問。 |
大学で学んだことを基に、通常はカナダやアメリカなどの主に多民族国家で、子どもを対象に行われているイマージョン・プログラム(Wikipedia)を応用して「大人が短期間で外国語を習得するための学習法」を開発し、教えている。
だからこの英語の勉強の仕方は、先生のレッスン以外では学ぶことができず、レッスンは「暗記なし・教材なし・宿題なし」で英語を「経験」して「慣れ」ながらスピーキングを伸ばすことにフォーカスした内容になっていた。
- 英語の「暗記」ではなく「話すこと」を重視した英語学習プログラム」
と
- ワーキングホリデーや留学の「サポート」
が1つになった『留学エージェント』をカナダに設立。
当時は先生が1人で教えていたが、今は複数の先生方がいて、カナダ(バンクーバー)だけでなく、オーストラリア(シドニー)やフィリピン(セブ島)での「現地レッスン」、さらにSkypeを使って世界中どこからでもレッスンが受けられるようになっている。
また先生自身は英語・日本語・中国語・スペイン語・ロシア語・ポーランド語の6カ国語を話すマルチリンガルで、母国語である英語以外はすべて自身が確立した学習法を使って習得したということだった。
大学時代に「文部科学省奨学金留学生」として筑波大学で交換留学していたこともあるため、日本の文化にもかなり詳しく、大学卒業後に早稲田大学や東京外国語大学で言語教育の講演をしたこともあるらしい。

まとめ
「文化(人々の考え方や価値観)」が違うと、同じできごとに対して「正反対の解釈」がなされるということは、よくある。
私はそれをカナダのバンクーバーでワーホリ中に何度も経験したし、
学校で英語の「単語」や「文法」を勉強することはできても、英語の「文化」を学ぶことはできない。
日本の学校の英語の授業や、英会話スクールや、塾、それに海外の語学学校でも見過ごされているけれど、外国語を学ぶ時には、その言語の背景にある「文化」を理解することが実はとても重要なのだった。
とても楽しい。
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