
カナダ人の生活・ライフスタイル(バンクーバー)と日本との違い。
カナダの人々の暮らし(生活)の様子は、特徴としてとにかく「仕事第一」の日本に対してカナダではその優先順位が低いように感じた。
ライフスタイルの違い、それはつまり「文化」の違いでもある。
人々の考え方や価値観・行動パターン・ライフスタイル・人と人との関係性など。
目次
カナダ人の生活・ライフスタイルは日本よりリラックス
バンクーバーは人口約63万人、周辺地域も含めると約246万人(2016年のデータ:Wikipedia;Vancouver)で、カナダの中でも「大都市」と言われる街だが、それでもダウンタウン(中心部)は徒歩1時間くらいで一周できてしまうくらいの大きさ。
だからこれからバンクーバーに行く人は、東京や大阪など日本の「大都市」を想像していると拍子抜けする、かもしれない。
けどダウンタウンから車で1時間以内の範囲に、山も海も湖も森もあるバンクーバーは、自然と都市が融合した美しい街でもある。

キーワードはおおらか・のどか・リラックス!
まず私がカナダに着いたばかりの頃、「日本と違う」と感じたのは、街行く人たちの歩くペース。
東京やニューヨークなどの「Busy City(忙しい街)」は、人々の歩くペースが早いことで有名。
私はバンクーバーのダウンタウンに初めて行った時、

公共交通機関も時間にルーズ
バンクーバーの公共交通機関には「Skytrain(スカイトレイン)」という電車兼地下鉄、それとバスがあるのだが、はっきり言ってバスが遅れるのは当たり前。
遅れるも何も、来ない。ということも度々あった。
やっと来たかと思いきや、バス停で止まらずに通り過ぎて行ったり(ドライバーが止まるのを忘れるらしい)、後続のバスと2台一緒にきたり・・。
本当にあてにならないので、バスを使う日は早めに家を出る必要があった。
現地の人はどうしているのか聞いてみたところ、
車を持っているからあまりバスは使わない
とか
10分待って来なければ近くのSkytrainの駅まで歩く!そっちのが早いから!
とのことだった。
Skytrainは自動運転(つまりモノレールみたいな感じ)だから、時間に正確だった。

パーティには遅刻、がマナー
カナダでは「Party」がよくあるのだが、参加者は遅れて到着するのがマナー。
時間ピッタリに行っても「まだ準備中なんだけど・・」と迷惑な顔をされたりするので注意。
日本語の「パーティ」だと着飾った人々が食べたり飲んだりして騒ぐ、というイメージがあると思うのだが、カナダではまた少し異なる。
たしかに「Holloween Party」などは着飾るが、普段着でみんなで集まって食べたり飲んだりするのも立派な「Party」だった。
「Farewell Party(送別会)」、「Potluck Party(食べ物や飲み物を各自が持ち寄っておしゃべりする会で、ホームパーティではこの形式が多かった)」などなども、全て「Party」である。
だから時間きっかりにきてほしい時にはあえて
We will meet at 5pm SHARP.(5時きっかりに待ち合わせね)
と書いたりする。
こんなところも、小学校から「5分前行動」を習慣づけられる日本とは「違うなぁ〜」と思った。
もちろん個人差はあり、私はカナダでワーホリ留学中にマンツーマンレッスンを受けていたのだが、その先生はいつも時間より早く来ていた。
カナダの若者のファッションも基本カジュアル
またバンクーバーの若者のファッションはどんな感じかというと、
たとえダウンタウン(中心部)でも、

カナダ人がメイクするのは特別な時のみ
日常生活でも
ちなみに「パーカー」は和製英語で、カナダで言っても通じないので注意。
英語では「Hoodie」(カタカナで書くと「フーディ」)。
日本人って毎日オシャレ(dress up)しててすごいと思う・・
と感心したように言う現地の人もいた。
バンクーバー生活で感じた日本とカナダの「優先順位」
カナダで知り合った友達が「数ヶ月日本で交換留学をしたことがある」と言うので、感想を聞いたところ
I like Japan. But I thought like, Life is Work in Japan.
(日本は好きだよ。けど日本では「仕事が人生」なんだなと思った)
と言っていて、

一般的に
日本は仕事を始める時間(始業時間)には厳しいが、終わる時間(終業時間)には無頓着
と言われるが、カナダの人たちはむしろ終わる時間に厳しい。
早寝早起き+残業しないカナダ人
カナダでワーホリ留学を始めた当初、私はフィリピン系カナダ人の家庭にホームスティしていた。
ホストペアレンツは共働きだったのだが、彼らの
帰宅が早いから夕食も「6時スタート」と言われたし、夜9時や10時には寝てしまう。
バンクーバーは「白夜」とまでは言えないが、春から秋にかけて夜の9〜10時頃までかなり明るい。
夕方の4時や5時だと「・・真昼ですか?」と思うくらいの明るさだった。
そういうこともあって、


24時間営業のコンビニや、深夜営業の店なども日本に比べ格段に少ないのがカナダ。
ただしやはり若者は夜遅くまで遊びたいので、ダウンタウンには深夜まで開いているクラブなどある。
でもカナダのように定時で帰るのが「普通」であれば、アフターワークでも予定を入れられる。
だから現地でカナダ人の友達ができるようになると、カナダ人でフルタイムで働いている人、しかも日本では忙しいことで知られているような職業についている人でも、夜に映画館で一緒に映画を観たり、レストランに行ってディナーをしたりが普通にできた。
何しろ、バンクーバーでは定時どころか、定時前に閉まってしまう店(店主が家に帰りたくて早めに閉めてしまう!)などもあり、最初は驚いたが、すぐに慣れた。
そういえばカナダから帰国後オーストラリアを一人旅した時、アデレードの中心部にあるスーパーが夕方4時に閉店しており、夕食の買い出しができず、普通に困ったことも今となっては良い思い出・・。
例えばカナダの企業のマネージャーのポジションについている友達などは、いつも残業バリバリで、忙しそうにしていた。
けど大きな違いは、日本ではヒラ社員でも残業を求められるのに対して、カナダでは残業しているのは主に管理職などの役職が高い人。
だからほとんどの人にとっては残業をしないのが「普通」だということだった。
いつも「仕事優先の友達」に立腹!
現地の友達ができるようになってからは、他にもこんなことがあった。
カナダでは「友達に友達を紹介する」という「文化」があり、
Canaに高校の友達を紹介したいんだよね〜
と言って、何度かその人も入れて一緒に出かける予定を立ててくれようとしていた。
しかし数週間後にその友達に会ったら、
ちょっとCana聞いてよ!
毎回遊びに誘っても「仕事があるから無理」っていう返事がくるんだけど、いつも「仕事仕事」って、あの人はそんなに仕事が大事なんだろうか!
と言って怒っていた。
たぶん日本で社会人だったら、
仕事があるから
というのは誘いを断るのに一番よく使われるフレーズで、そう言われた方は
そっかぁ、それなら仕方ないよね。
としか思わない。
しかしカナダではあまりに「仕事仕事」の人はこんな風に思われるんだ!というのは衝撃だった。
家族が大事!「Family comes first」
さてカナダ人はそんなに早く家に帰って何をしているのかというと、家族がいる人は家族と時間を過ごすことを大事にする人が多いようだった。
例えばカナダ人の友達と話していると
来週はMom(母親)とレストランでランチ/ディナーの約束をしている
今日は実家でファミリーディナー(Family Dinner)がある
という話が本当によく出てきた。
正月やお盆などの特別な日ならともかく、私は日本では家族との食事より友達との遊びを優先していたので、

日本「仕事>家族」、カナダ「家族>仕事」
バンクーバーでワーホリを始めた当初、語学学校(ESL)に通っていたときには
明日はカルガリーに住んでいる両親がバンクーバーに遊びにくることになっていて、街を案内しないといけないから休むよ
と言って、翌日本当に休んでいる先生がいた。
日本では家族が病気になったり、妻に子供が生まれるときにさえ仕事優先で働いている人がまだ結構多いと思うのだが、カナダではそういった理由でも堂々と仕事が休めるし、それが「普通」なのだというのは衝撃だった。
男性も家事や育児をするのが当たり前
また日本では「男性=外で働く」「女性=育児や家事」というような考え方(性別役割分業)がまだ根強いのに対して、カナダでは男性も家事や育児に関わるのが当たり前、という意識がある。
「残業時間が長い」ということは、「家庭よりも会社で過ごす時間が長くなる」ということ。
だから日本の場合、「家庭」よりも「会社」が居場所になっている人(特にある一定の年齢以上の男性)がとにかく多いように思う。
実際、日本の企業で「家にいるより職場にいる方が楽だからねぇ〜。家にいても妻と子どもからハブられる」と言いながら土日出勤している男性役員を目撃した・・。
一方、カナダでは「職場」よりは「家庭」に居場所を求める人が多いため、カナダ人の友達は
ここでは家庭に居場所がない人は「Loser(負け犬)」と見なされるんだよ〜
と言っていて、大きな違いを感じた。
バンクーバーの遊びはアウトドアと切り離せない
さてそんなカナダ人たちが、週末にはどんなことをして過ごしているかというと、
- サイクリング
- ランニング
- ハイキング
- カヤック
- ヨガ
- キャンプ
- カヌー
- バーベキュー
- 日光浴
バンクーバーのダウンタウンには、Stanley Park(スタンレーパーク)という大きな公園があるのだが、ランニングやサイクリングやローラースケート用に整備された道があり、人々がエクササイズに励む姿を見ることができる。
余談だが、この公園ではよくアライグマを見かけた。
他にも、住宅地ではリスを見かけたり、スカンクもいたし、クマもいるので公園のゴミ箱が「クマが簡単に開けられない」ような仕組みになっていたりもする。
だいたい「カフェでまったり」とか「映画」、となることが多かった。
そもそも日本の「繁華街」と、バンクーバーの「ダウンタウン」もかなり違う。
日本では乱立しているカラオケ、パチンコ、ゲーセン、ショッピングビルなどが、バンクーバーには、ない。または、ほとんどない。
カラオケはいくつかあるようだったが、私の周りのカナダ人はあまり興味がなく、韓国人や日本人の友達には人気だった。
パチンコが今あるのはおそらく世界でも日本だけ(韓国では禁止になったらしい)だし、ゲーセンも見たことがない。ただし、ビリヤード(pool)やダーツ(darts)ができる店ならあった。
またバンクーバーは景観保護の関係で建物の高さなども制限されているためショッピング「ビル」はないが、デパートやショッピングモールはある。
カナダ人は日焼け止めもあまり気にしない
春〜夏の天気の良い日には、公園や海岸でシートを敷いて、または家のベランダのベンチに寝そべって、水着で日光浴していたり、家族や友達同士でバーベキューというのもよく見かける光景だった。
というのも、バンクーバーの冬は雨がよく降る。(雪は滅多に降らない。)
またその期間も長いため、
天気が良いとみんな嬉しくなって外に出てくるんだよ
と現地の人は言っていた。
日焼け止めも売ってはいるが、日本人ほど日焼けを気にしていないし、むしろ肌を焼くのがCoolなのだ、ということだった。
だから日本の夏には必ず見る「日傘」や「黒い手袋」も、バンクーバーでは見たことがない。
私もカナダに行くまでは完全なる「インドア派」だったが、バンクーバーに住んで「アウトドアもいいな!」と思うようになった。
カナダの食事は基本高カロリー
早寝早起きでアウトドアスポーツが大好きなら、カナダ人はみんなスリムなのでは??と思うかもしれないが、カナダでは日本の比でなく太っている人をよく見かけた。

一応人口当たりの肥満率を比べてみたら、カナダは29.40%で24位、一方日本は4.30%で186位。
(2016年のデータ。COUNTRY COMPARISON :: OBESITY – ADULT PREVALENCE RATE;CIA’s World Factbook)
まずカナダで外食すると、一皿に持ってある量が多い。
そして、ピザやハンバーガーなどのカロリーが高い食事を好む人も多い。
ベジタリアンやビーガンの人もいて、それを売りにしたレストランなどもあるが、やはり多いのはこういった食事だった。
そのためワーホリや留学で来ている日本人の、特に女性からよく聞いたのがこれだった。
カナダに来てから太った!!
何しろファストフードにも日本のように「ウーロン茶」や「紅茶」などノンカロリーの選択肢はなく、代わりに炭酸の種類がやたら豊富で、「カナダ人の肥満の主原因はこれなのでは・・??」と思ったりした。
夕飯が「ワッフル」。
ある日カナダ人の友達と
うちに来てよ! 一緒にディナーを食べよう!
という話になり、何を作るのか聞いたら
ワッフルとベーコン!
という返事が返ってきて、冗談かと思っていたら本当に「ベーコンを挟んだワッフル(甘さと塩辛さの絶妙なハーモニーを楽しむんだよ!)」が出てきたり。
サラダなどの副食は一切なく、さらにデザートがドーナツだったり。
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日本食はやっぱりヘルシーと再認識
ホームスティしていた時には、たまに夕食が某ファストフードのハンバーガーとポテトだけ、またはでっかいホットドック(スモーキー:Smokieという)のみという日もあり、
ちなみにカナダでもスーパーで米や味噌、醤油など買えるため、私はシェアハウスに移ってからはなるべく自炊をするようにしていた。
だからそこまで太らなかったけど、やはり外食が多い人は注意したほうが良いかもしれない。
とはいえ、日本人女性は「太った」と言ってもまだまだ痩せている人が多いのだけど・・。
まとめ
カナダで生活して感じた日本との「ライフスタイル」の違い。
私の場合、日本では「ほぼ仕事一色」の生活だったのだが、カナダで「日本と違うライフスタイル」を経験できたことで、「自分はどういうことが好きなのか?」、「興味があるのか?」、「どういう風に1日の時間を使いたいのか?」ということがよりはっきりしていくのを感じた。
これからカナダでワーホリや留学をする人もきっと現地でそういう発見があることだと思う。
今回の記事は、私がカナダでワーホリ中にマンツーマンレッスンで英語を教えていただいた先生が来日され、日本で行われた「レッスン&ワーホリ留学の説明会」でお話されたことがベースになっています。
私が受けていたレッスンについてはこちらの記事を参照ください。
先生は度々日本へ出張で来られていて、日本各地を縦断し、レッスンをされています。
これによって、日本にいる間にカナダでの生活をイメージし、現地でスムーズなワーホリ生活をスタートする準備ができるようになっています。
さらに、日本にいる間から時間をかけて英語を準備できる「特別コース」が開始されています。